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真顔日記

三十六歳女性の家に住みついた男のブログ

ネコの鳴き声は多様である

ネコのはなし

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ネコの鳴き声は多様である。

ミケシは美猫だが、声はアホまるだしである。「ホワァ」という間のぬけた鳴きかたをする。アホの坂田と同じ発声法である。しかも、ある状況において間のぬけた声を出すのではなく、あらゆる状況において間のぬけた声をだしている。人に甘える時は「ホワァ~~〜」である。基本的にハヒフヘホで鳴いている。

気分が良いときは「ホワァ、ホワァ、ホワァ!」である。書いてみて気づいたが、文字にするとブルース・リーの発声法に似ている。耳で聴くとまったく似ていないが。ブルース・リーの筋肉が萎みに萎んで、自己評価がハムスターと同等まで落ちた場合、こんな声を出すのかもしれない。

ミケシの変な鳴き声は他にもある。

この家に来た直後、めしを食うときにミケシだけ声を出していた。「んまんまんま、んまんまんま」と言うのである。味に感動しているように見えたので我々は笑っていた。しかし慣れると何も言わなくなった。どうやら、他のネコに取られることを警戒して食べるという状況で、声を出してしまうようだった。過酷な路上生活が生み出した鳴き声だったのだ。しかしそれにしてはまぬけな声だった。過酷とまぬけの両立である。これはめずらしい。

それから、ミケシがうとうとしている時に身体をさわると、「メコッ」みたいな声で鳴くんだが、これは私の使っている無線スピーカー(BOSE SoundLink2)がパソコンに接続された時に鳴る音とそっくりである。もっとも、これは三十六歳女性にはウケたが他の人間には一切ウケないことは分かっている。書いてみたかっただけである。申し訳ない。 

 

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影千代は体重七キロの巨ネコ(でぶとも言う)である。

しかし声は妙にカワイイ。三十六歳女性に爪切りをされると、いやがる声を出すのだが、その声すらカワイイのである。かぎりなく「イヤァ〜ン!」に近い「ニャ〜ン!」である。怒っているのに、まったく怖くない。

しかし三十六歳の話によると、動物病院で医者に爪切りをされた時は本気で怒っていたらしい。病院の毛布をビリビリに引き裂くほどの激怒ぶりで、鳴き声も過去に聞いたことのないほど野太いものだったという。「ヴオアヴオオーッ!」だったという。

「やっぱ普段はネコかぶってたんだよ!」

三十六歳女性は叫んでいた。それはそうかもしれんが、そもそも影千代は最初からネコである。ネコがネコをかぶってどうする。ご当地キティじゃないんだから。