伊藤和也 伊藤和也
2016年8月25日20時40分
振り込め詐欺などの特殊詐欺事件で、うその電話で被害者をだます手口を封じようと、警察は、犯行に使われた番号に電話をかけ続ける新たな一手に出る。電話を鳴りっぱなしの状態にして、犯人が電話しようにもできなくする作戦だ。警察庁は25日発表した来年度当初予算の概算要求案に、この電話作戦の事業費5300万円を盛り込んだ。
警察庁は昨年、北海道警で行ったモデル事業で成果が上がったとして、全国に広げる方針を固めた。
モデル事業では、道警が把握した電話番号のうち、犯行に引き続き使われていると判断したものを業者に提供し、システムから自動的に電話をかけ続けた。相手が応答すると、警察を名乗って「犯罪への利用を直ちに停止し、出頭するよう警告する」という音声を流した。昨年8~12月の事業期間中に84番号が対象になり、うち62番号で解約が確認された。「犯人」があきらめて手続きしたとみられるという。
同年上半期(1~6月)と被害を比べると、モデル事業を行った下半期(7~12月)は43件減って116件、額も3・3億円減の3億円だった。事業費は500万円だったという。
警察庁は新年度の電話作戦でも同様の方法を採る方針。同庁が各都道府県警から対象となる電話番号を集約して業者に提供することを想定している。担当者は「電話は犯行に不可欠なツール。その『無力化』で被害の防止に努めたい」と話している。(伊藤和也 伊藤和也)
残り:397文字/全文:994文字
有料会員に登録すると全ての記事が読み放題です。
お得なシンプルコース980円が登場しました。詳しい内容はこちら
トップニュース
新着ニュース
おすすめコンテンツ
※Twitterのサービスが混み合っている時など、ツイートが表示されない場合もあります。
朝日新聞社会部
(PR)くらべてお得!