三菱航空機(愛知県豊山町)が開発中の国産ジェット旅客機「MRJ」の試験1号機が27日午前、今後の飛行試験の拠点となる米国に向け、県営名古屋空港(同町)を飛び立った。ただ飛行後、空調システムに確認が必要な箇所が見つかったとして、約1時間後に同空港に引き返した。
MRJは2018年半ばに量産初号機の納入を予定しており、商用運航に必要な型式証明の取得には累計2500時間に及ぶ飛行試験をこなす必要がある。同社は計5機ある飛行試験機のうち4機を今年中に米国に運び、気候条件などに恵まれた環境で試験を本格化する予定。北海道やロシアなどを経由し、数日かけて米ワシントン州モーゼスレイクの空港に到着する予定だった。
MRJは昨年11月に試験1号機が初飛行に成功。2号機は今年5月に初飛行し、3、4号機も近く飛行試験に投入される予定だ。