【椿あきおコラム・インタビュー】
9月7日、渋谷MilkyWayにて主催イベント『Mezzo Forte Vol.3 』。詳細、その他スケジュールは、ツイッターのテレジア公式で確認ください。【拡大】
「聴かせたい。ずっと心に残る歌を届けたい」by 鈴木花純(ex.テレジア)
地下アイドルの現場に通っていて思うのは、どれだけ“沸ける”かが、いいアイドル、面白いライブ、という評判になりがちということ。
まぁ、現場なんて現代版村のお祭りみたいなもので、ある種、ストレスの発散場所的役割もあると思うので、沸くことを否定しないし、最近各所で禁止行為となっているモッシュやリフト、ダイブだって、それくらいあってもいいんじゃない? と思ってもいます(節度というか、センスは必要)。
ただ、本来は感情の爆発行為であるはずのものが様式化して、この曲のこのパートでモッシュ!な“お約束”になっていることが多く、単に沸くことが目的になっている、それはいただけないなぁと。必ずしもアイドルに歌唱力を求めなくてもいいとは思いますが、歌を聴かせてくれる場面になかなか出会えないというのは残念。
そんなことを考えながら、ある現場に行ったときのこと。一人のアイドルの歌声に衝撃……感動したというのが正解でしょう。とにかく、歌がうまい。心地いい。
圧倒的な声量とか天使の歌声とかではなく、また、音楽の技術的なこともわかりませんが、しっかりと足を開いてステージに立ち、振り付けもなく、ただフロアに向かって放たれる彼女の歌声は、メロディーの一音ずつ、歌詞の一文字ずつが丁寧に紡がれて、胸に、心に染み込んでくるイメージ。「こんな地下に、これだけ歌える子がいたんだ」と驚いたのが第一印象。