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【芸能・社会】

高畑淳子、涙の60分 裕太容疑者の逮捕で謝罪会見

2016年8月27日 紙面から

 前橋市のビジネスホテルで40代の女性従業員に性的暴行を加えたとして、強姦(ごうかん)致傷容疑で逮捕された俳優の高畑裕太容疑者(22)の母で女優の高畑淳子(61)が26日、東京都内のホテルで会見。約1時間にわたる会見で、何度も涙をぬぐいながら被害者や裕太容疑者の仕事の関係者に謝罪。同容疑者が芸能界入り後、不祥事を起こした場合「刺し違えて死ぬ」と言い聞かせていたことを明かした。しかし、そのかいなく事件を起こしてしまい「育て方がいけなかった」と肩を落とした。

 裕太容疑者の逮捕後、一睡もしていないという高畑は憔悴(しょうすい)しきった表情。関係者に支えられ黒のブラウスにパンツ姿で会場入りした。マイクの前に立ち報道陣に深々と一礼すると「本当に申し訳ありません。心よりおわび申し上げます」と謝罪し、数秒間頭を下げた。続けて「どんなに言葉を重ねてもおわびの言葉が見つかりません」と被害者と裕太容疑者の仕事関係者に謝罪し、再び数秒間頭を下げた。

 高畑は25日、裕太容疑者の所属事務所社長、長女で女優のこと美(29)とともに前橋署で裕太容疑者と15分間面会。裕太容疑者は震えて泣きながら「申し訳ない」を繰り返し「死のうと思った」と口にしたという。

 現地では被害者に会って謝罪することができず、示談交渉は進まず。高畑は「親というのはバカな生き物で、息子のことをかばう気になるが、それは今やってはいけないこと」とし、「被害者がもし自分の娘だったらということを頭の中ですり替えて、物事を冷静に見なければと思っています」と被害者を気遣った。

 裕太容疑者は学生時代は遅刻するなど規範意識の低さを露呈。それもあり、芸能界入り後は「やってはいけないことをやるかもしれない。不安な要素はあった」と吐露。ただ高畑が知る限り、変わった性的嗜好(しこう)や女性トラブルはなかったという。

 芸能界入り後の裕太容疑者には「やってはいけないことをやってしまうと、刺し違えて死のうね」と強烈な言葉で、互いが不祥事を起こすことの“罪”を自覚させたという。しかし、その言葉を裏切られる結果に「私の育て方がいけなかったんだと思います」と肩を落とし涙した。

 高畑は9月から12月まで公演が決定している主演舞台「雪まろげ」への出演が注目されていた。「この状態でお芝居をやるのは自信はないですが、舞台に立ってお見せするのが贖罪(しょくざい)だと思っています」と出演の意向を表明したが、その後の活動は「私個人で判断してはいけない」と明言せず。また、裕太容疑者の芸能界復帰については「それはしてはいけないことだと思っています」と断言した。

◆強姦致傷罪なら裁判員裁判

 高畑容疑者が強姦致傷罪で起訴された場合、裁判員裁判制度の対象となる。

 法務省の公式サイトなどによると、裁判員に負担をかけないよう審理は短期集中で行われる。裕太容疑者には厳罰が科せられる可能性が高そうだが、会見で高畑は「罪を犯した以上、罪(刑)に服すべきだと思っています」と覚悟をうかがわせた。

 <高畑淳子(たかはた・あつこ)> 1954(昭和29)年10月11日生まれ、香川県出身。桐朋学園大学短期大学部芸術科演劇専攻を卒業後、76年に劇団青年座に入団し女優デビュー。80年代後半から90年代前半にかけ、東映特撮作品に多数出演。「仮面ライダー BLACK RX」の悪役で注目され、95年からTBS系「3年B組金八先生」シリーズにレギュラー出演したほか、映画を含め出演作品多数。声優でも、スタジオジブリの映画「かぐや姫の物語」を含め多数。2014年秋の叙勲にて紫綬褒章を受章。私生活で2度の離婚歴がある。長女は女優の高畑こと美。

 

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