「ジャ○プアンソロで人生狂った」「食費削ってDVD買う」『すすめ!オタク一家』は全オタク共感必至 量産型ザクの大量買いや逆カプの悲しみを理解し、修羅場で原稿を手伝ってくれる親もいるんだ
無限の世界がもたらしてくれる、無限の喜怒哀楽。
その為に生きていると言っても過言ではなく、マンガ・アニメ・ゲームは人生です。
マンガ・アニメ・ゲームが豊かに存在する今の日本に生まれ育ったことは、本当に幸運ですし、あらゆるクリエイターの方々には感謝しかありません。
そんな私にとって、どんなあるある日常系作品よりも遥かに!
X JAPANのライブ最前列でヘッドバンギングするような勢いで、「あるあるあるあるッ!!」とシンパシーを抱いてしまう漫画が登場しました!
オタク家族のほぼ実話4コマ!
本作は超エリートオタクである母親による幼少からの超英才教育によって、必然的にオタクになってしまった、しのさんと弟、そして友人たちとの日常を描いた実録エッセイマンガです。
まず、作者・しのさんの母君の理解がありすぎる!
その羨ましいまでのオタク母親像を5つほど紹介していきましょう。
トーンが欲しいか?トーンが欲しいのなら……くれてやる!!
しのさんが中学生の頃に漫画を描きたいと思い、トーンを買うお金を母親に貰おうとすると「買わんでもあるわ!」と。何と、実はしのさんが5歳の時には「ケズリ」「重ね」なども含めて教わっていたというのです! 修羅場になると、原稿の手伝いまでしてくれる母。頼もしすぎます!
リバース効果、発動!
「○○×△△だと思って買った同人誌が△△×○○だった」
一般人に伝える術はないのではないかと思うほど深く絶望的なその悲哀。しかし、母はそんな悲しみも解って受け止めてくれます。何て、何て良いお母さんなんでしょう……。
量産型ザクは数だよ母者!
お金がないのにザクのプラモを大量に買って来る弟。それにすら深い理解を示してくれる母。何て素晴らしい一家でしょう!(でも、お姉さんから借りた5万円は返して上げて下さいね)
その頃我が家は、それが世界の真実だと信じていた
DVDを買うために食費を切り詰めることを高らかに宣言する母。グッズやBD/DVDを得るためには、それと同等の代償が必要な等価交換の法則。「『覚悟』を『完了』」している弟にもスタンディングオベーションです。
漫画を捨てるなんてとんでもない!
しののめ家では、本を捨てず売らないという母による鉄の掟があるとか。私自身、過去にマンガを強制的に売らされたり捨てられたりしたことがあるのですが、いずれのケースも激しい悔恨に駆られました(結局後にほぼ買い戻しました)。結果、私も「二度と漫画は捨てない・売らない」と誓っており、非常に親近感が湧きます。その結果家の中は大変なことになってはいますが、後悔なんて、あるわけない(青髪魔法少女スマイル)。
アニメイトに行きたがるなど、可愛くも更なる沼へ突入しようとするしのさんの母。そして、姉と同様にエリート教育を受けて育ち、立派なオタクとして家族で物々交換や語りを行う弟。オタクにとって、こんなに羨ましく見える家庭があるでしょうか!
そんな彼らや、彼らの友人たちと繰り広げられる生活の中でも、強いシンパシーを抱いてしまう部分が大量に出て来ます。特に共感してしまった箇所を、また5つほど抜粋します。
引っ越し≒本の整理
本当、これです……!
しのさんも上記に付随して、4桁を数える蔵書のお陰で引っ越す時には段ボール50箱以上になったといいます。私も、一番最近の引っ越しでは本だけで段ボール100箱を超えました。そして、三人で来た引越し業者の内の一人が開幕5分で体調不良となりリタイアされてしまったのがハイライトでした。二人ぼっちの戦争を戦い抜いて下さった業者様には足を向けて寝られません。
タイバニ13話は神回!
「お前が俺を信じてくれるって信じてたからな」からの、「何物欲しそうな顔してるんですか」「行きますよ、虎徹さん」に萌えない腐がいるだろうか(いや、いない)。13話「Confidence is a plant of slow growth.」は神回です。「これは腐女子大歓喜やな」と思われるシーンの世間での反応を調べたくなる弟さんの気持ちは割と解ります。
ジャ○プ系アンソロは腐女子インキュベーター!
それなっ……!
私自身が堕ちたのは萩尾望都先生や竹宮惠子先生の影響が一番大きいです。しかし、これまでの人生で萌え語りをして来た友人知人たちの多くがいかにジ○ンプ系アンソロで堕とされていたか……!
C翼、星矢の時代から、幽白、スラダン、ワンピ、ナルト、ハンタ、テニプリ、リボーン……ジ○ンプ罪深い。そして、ここに出て来るように封神演義もその一つですね。そういえば、マンガHONZで精力的にレビューを書いているあの方も封神で……おっと、こんな時間に誰か来たようですね。
しのさんは別に面倒くさくない、普通では?
好きになる理由とか、好きの種類などの解釈に納得していないと二次創作はできない、それはそうですよ。当然ですよ。所詮コピーに過ぎない黄瀬に対して何故青峰が好意を抱くに至るかとか、凛の遙を介在した宗介に対する複雑な感情とか、書く(描く)とするならばとことん咀嚼する必要がありますよね。実に解ります。決して、しのさんが面倒くさい腐女子だとは思いません。とりまハイスピ最高でしたよね。汁だくBLが欲しくなる夜もありますよね。
マザーやクロノトリガーはほんま名作!
DQ5の布教から、しのさんにゲーム属性も植えつけた友人Mちゃん。お返しにしのからBLを布教されて人生が狂うというオマケつきでしたが。ゲームも良いものです。しのさんが感動して涙したクロノトリガーは、何度でもやりたい名作ですね。余談ですが、制作者である時田貴司さんの最新作FF時空ノ水晶も、クロノを彷彿とさせるタイムトラベルものでシナリオもとても良いので彼女たちに布教したいです。
物語はまさかの急展開へ
それにしても、お互いに布教し合える友人や家族って本当に貴重です。世の中には素晴らしい名作が多すぎるので、Mちゃんがブラックジャックを呼んでいないように超名作でも通っていないものが必ずあるものです。そういう物をこそ布教し合って、生き残っていきましょう。
関西人ならではのノリの良さや、溢れるオタクあるあるに笑いながら楽しめる本作。全ての伏せ字の意味が解る私のような人種には堪りません。
ですが、この作品はそれだけに留まらず、途中から急展開を見せて行きます。
友人とのルームシェア!
それだけならまだしも養子縁組まで!?
しかも、それを快く受容してくれる周りの人々!
序盤からは想像できない込み入った話が出て来て、一時期鬱にすらなっていたという作者の重い話も重くなり過ぎず描かれます。実体験を通して、同様の状況で悩む人へのエールにもなっていると感じます。
理解を示して無条件で助け、笑い合ってくれる家族や友人が周りにいることの幸せというのを、改めて強く感じさせられました。そして、そういった人たちは決して当たり前に存在するのではなく、様々な偶然の重なりあった奇跡的な確率を経て傍に存在していてくれているので、大事にして行かねばならないということも。
私が、今こうして生粋のマンガオタクとして生きているのも、様々な布教をしてくれた人々の影響が甚大です。私をこの道に堕として下さってありがとうございます。いえ、堕とされたというと語弊がありますね。「羽ばたかせて下さった」、と言い換えましょうか。
私も、様々な作品をお薦めしてくれる周囲の人々を一層大切にしつつ、微力ながら今後とも多くの人が羽ばたくお手伝いをして行きたいと思います。
文…マンガサロン『トリガー』兎来栄寿
会員登録いただくと、記事へのコメントを投稿できます。
Twitter、Facebookにも同時に投稿できます。
※ 2014年3月26日以前にHONZ会員へご登録いただいた方も、パスワード登録などがお済みでない方は会員登録(再登録)をお願いします。