森田貴之
2016年8月27日09時51分
夕張メロン2玉300万円、ブドウ1房110万円。最近、尼崎市のスーパーの高額落札が話題になりました。宣伝とはいえ、ちょっと高すぎでは……? お店に尋ねました。
「くらし快援隊中央店」は阪神尼崎駅から徒歩10分。店舗は他に1店のみ。戦後まもなく創業した八百屋が母体です。
100円ほどの青果物が並ぶ格安スーパーが今年、果物の高額落札を連発しました。
会社として相当の決断があってのことと思い、青果仕入れ担当の小西幸丸(たかまる)さん(37)に尋ねると、意外な答えが――。
「実は、自分のわがままだったのです」
計画を会社で相談したのは今年初め。ところが、経営者の兄も、一緒に店を切り盛りする父親も強く反対したそうです。
それを押しきっての落札には、理由がありました。
仕入れの仕事は「1円でも安く」が最優先課題。一方で、「農家の賃金は仕事に見合っていない。何とか還元できないか」との思いを募らせていた。というのも月数回の農家訪問で、重労働に耐え、四六時中、青果と向き合う生産者を見てきたからだそうです。
そこへ昨年、新潟のスーパーが夕張メロン2玉を150万円で落札し、話題に。
「これなら農家をねぎらえるし、広告費としても安い」。1本数十万円のネット広告より効果が見込めると判断したといいます。
6年前に自分の提案した青果の…
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朝日新聞社会部
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