年金を払わないとどうなるの?
年金の未納はニュースなどでも良く話題になっていますが、実際に年金を支払わないとどうなるのでしょう。
国民年金を支払うのは義務
会社員などが加入する厚生年金は給料から天引きされて支払う仕組みになっていますから、厚生年金加入者は年金を支払わないということはないと思いますので、ここでは国民年金について見ていきましょう。
国民年金は公的な年金制度で、加入が義務付けられています。
そう、加入は義務ですから、「どうせ年金もらえないから払わない」という選択は本来できないのです。
そのため、十分な所得があるにもかかわらず、国民年金保険料を支払わない場合には、国が強制的に保険料を徴収することもできます。
以下は、実際に国民年金保険料を支払わなかった時にどのような対応がなされるかの流れです。
国民年金を未納した時の流れ
納付奨励
国民年金保険料が数ヶ月未払いになると、封書やはがきにより保険料納付の案内が来るようになります。
また、日本年金機構から業務委託された民間業者からの電話や戸別訪問も行われるようになります。これは結構しつこいケースも多いようです。
最終催告状
それでも支払わない場合は、「国民年金の勧奨通知書(最終催告状)」というものが送られてきます。
これは、国民年金未納者のうち、十分な所得(400万円以上)があると考えられるにも関わらず7か月以上未納な人が対象で、自主的な納付を促す最後の通知であるとともに、期日までに納付が行われない場合には、延滞金の発生のほか、財産の差し押さえや配偶者や世帯主の財産も滞納処分の対象となる場合があるとの通知でもあります。
督促状
最終催告状の期限までに支払わないと、次に「督促状(強制徴収の開始通知)」というのが送られてきます。
同時に、法律で連帯納付義務があると定められている世帯主や配偶者にも通知が行くことになります。
差押予告
「督促状」に記載された期限までに支払わないと、「差押手続き」が始まることが通知されます。
これは、支払いの意思が確認できないため、財産の差押や公売によって滞納保険料を強制的に徴収することの予告です。
※強制徴収の対象は「所得が1000万円以上ある場合、13カ月以上の滞納」となっています。
財産差押
十分な所得や貯蓄がある国民年金未納者には、実際に強制的な徴収が行われます。
支払えなければ国民年金保険料の免除も検討する
上記のように国民年金への加入は義務であり、保険料を支払わないと強制的な徴収もあり得るものですから、十分な収入や財産のある方は、払いたくない理由があるとしても支払っておいた方が良いでしょう。
ただし、経済的に苦しい場合には、例えば借金までして年金保険料を払うといったような性質のものではないと言えるでしょう。
税金やその他の生活に不可欠なものの支払いの方が優先順位が高いということです。
また、国民年金保険料を支払うことが困難な場合には、国民年金保険料の支払いを免除する制度も用意されています。
自分の収入だけでなく、世帯主や配偶者の所得なども条件になりますが、学生や20代のフリーター・ニート、失業した場合などはそれに該当する可能性があるので詳しく調べてみると良いでしょう。
国民年金の納付率
納付率は1996年度まで80%を超えていましたが、2014年度には63.1%まで下がっています。2011年度の58.6%を底に改善しているものの依然として低水準であるのに変わりありません。
ただし、低所得などで保険料を免除・猶予されている人は納付率の計算から除外されているため、これらを含めて実際に被保険者全体で納付された割合は40.6%。
(参考リンク)国民年金機構
(参考リンク)「気がつけばいつの間にか・・・」中年フリーターが急増中・・・年金の話に直接言及しているわけではありませんが、「中年フリーター」が着実が増えている様がうかがい知れる記事です。