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【首都スポ】

女子高生マドンナジャパン 清水美佑 埼玉栄の118キロ右腕

2016年8月27日 紙面から

初の国際大会に挑む女子日本代表の清水美佑投手=松山市の坊っちゃんスタジアムで(小原栄二撮影)

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 韓国・釜山で9月3日から第7回女子野球ワールドカップが開かれ、侍ジャパン女子代表(マドンナジャパン)は大会5連覇を目指す。女子代表に初めて選出されたのは6人で、唯一の高校生が清水美佑投手(埼玉栄)で、新エース候補の田中露朝(あきの)投手(尚美学園大)とともに国際大会デビューとなる。チームは29日から神奈川県内での強化合宿を経て、決戦の地に向けて出発する。 (小原栄二)

 松山市の坊ちゃんスタジアムで8月に行われた強化合宿での練習試合、西日本大学選抜戦。マドンナジャパンに高校生でただひとり選ばれた埼玉栄高の清水が先発して3イニングを無失点、国際大会デビューに、いいはずみをつけた。「いつもとは違う空気感だと思うし、日の丸を背負うのは人生でなかなか経験できないことなので、そこは楽しんでやりたい」

 女子野球ではトップレベルに近い最速118キロの直球、キレのいいカーブを武器に選考会を突破した。大倉孝一監督(53)は「マウンドさばきにも高校生らしからぬ落ち着きがあって、冷静に状況も把握できる。将来は日本の中心的な存在になってほしい」と期待して大舞台を踏ませる。その大倉監督が、つけたニックネームが「アキラ」。理由は「清水」だから「アキラ」。ものまねタレントからの発想で、清水自身はちょっと恥ずかしそうな顔も見せるが、チーム内では親しまれていて「清水アキラさんを知りませんでしたが、監督がチームにとけこみやすいようにしてくれていると思うのでありがたいです」と喜んでいる。

 男子選手と一緒に東京・狛江ボーイズに所属していた中学時代に、野球をやめそうになった。体力の差を感じて行き詰まった。そんなとき、女子選手の東日本選抜チームに入って刺激を受け、女子野球を目指した。進学先として、女子野球部がある高校を探して、埼玉栄高を選んだ。斎藤賢明監督に、基本から指導を受けて球速が10キロ近くアップして、夏、春合わせて2度の全国制覇の原動力にもなった。

 小さいころからDeNAのファン。憧れの選手はハマの番長、三浦大輔だった。「力だけでなくアタマも使った、ああいう投球が目標。配球のうまさで見逃し三振を取れるようになりたい」。最近ではストッパーの山崎康晃。「自分も、任された仕事をきっちりできるように勝負強くなりたい」。そう言って目を輝かせる女子高生サムライが、チームの5連覇もかけて釜山のマウンドで世界を相手にする。

 <清水美佑(しみず・みゆう)> 1998(平成10)年5月8日、川崎市高津区生まれの18歳。右投げ右打ち。小学2年で野球を始めて内野手と投手。中学時代は狛江ボーイズで投手。埼玉栄では1年から投手としてベンチ入りし、2年夏と3年春に全国優勝。持ち球はカーブ、スライダー。

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