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【サッカー】

金崎が落選“懲罰人事” W杯アジア最終予選メンバー発表

2016年8月26日 紙面から

 日本サッカー協会は25日、2018年ワールドカップ(W杯)ロシア大会アジア最終予選・UAE戦(9月1日・埼玉)、タイ戦(同6日・バンコク)に向けた日本代表メンバー24人を発表し、FW武藤嘉紀(24)=マインツ、DF太田宏介(29)=フィテッセ=が復帰した。バヒド・ハリルホジッチ監督(64)は、リオデジャネイロ五輪の陸上男子4×100メートルリレーで銀メダルを獲得した日本チームの組織力、団結力を絶賛。チームの和を乱しかねない問題児のFW金崎夢生(27)=鹿島=を落選させる“懲罰人事”を断行した。

 ハリル監督が陸上男子4×100メートルリレーの組織力に感銘を受け、世界で戦うヒントを得た。「五輪を見ない」と話していた指揮官がくぎ付けになった。個々の能力では劣ってもバトン技術を磨き、米国を倒した。4人のサムライが不可能を可能にした。

 「米国は1人なら速いが、4人なら日本の方が速かった。彼らは米国に勝つ自信があった。それをA代表に植え付けたい。組織になれば日本は何でもできる。それは、自分自身の勇気から始まるのだと」

 2015年ラグビーW杯でもエディー・ジャパンが南アフリカから歴史的勝利を挙げ、世界中にインパクトを残した。そして、今回のリレー。ハリル監督は興奮気味に語った。組織力、団結力−。日本が世界に誇り、最大の武器になることを再確認した。そして、最終予選スタート前に一つの決断を下した。自ら発掘した金崎をメンバーから外したのだ。

 鹿島の金崎は20日の湘南戦で後半25分に途中交代を告げられると激高し、石井監督に声を荒らげるなど反抗的な態度を取った。ハリル監督は「リストに入っていたが、残念ながらあのような態度をとってはいけない。それが理由で外した。子どもたちにとって良い例になるのか。このような行動をとると、A代表には入れない」と語気を強めた。

 “懲罰落選”。今後についても「この先のことは全く考えていない」とピシャリと言い放った。ハリル・ジャパンも磨くべき組織力を内側から壊しかねない“問題児”を除いた。4×100メートルリレーのバトンのようにパスをつなぎ、ゴールを奪う。指揮官はロシアへ向け、毅然(きぜん)と進むべき方向を示した。 (占部哲也)

 

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