河川敷の少年殺害 多くは事件の6日前に知り合う

河川敷の少年殺害 多くは事件の6日前に知り合う
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埼玉県東松山市の河川敷で16歳の少年が殺害された事件で、逮捕された少年らの多くが被害者の少年と遺体が見つかる6日前に知り合ったばかりだったとみられることが関係者への取材でわかりました。警察は、知り合ってから事件までの間にどのようなトラブルがあったのか調べています。
今月23日の朝、埼玉県東松山市の河川敷で隣の吉見町に住む井上翼さん(16)が体の一部が砂利に埋もれ、衣服を身につけていない状態で死亡しているのが見つかりました。警察は、中学生3人を含む14歳から17歳までの少年5人を殺人の疑いで逮捕し、詳しいいきさつを捜査しています。

逮捕された少年5人は地元の遊び仲間で、この多くが井上さんと遺体が見つかる6日前の今月17日に知り合ったばかりだったとみられることが関係者への取材でわかりました。これまでの調べで、5人は集団で井上さんに暴行を加えたあと溺死させたとみられていますが、その後の調べで、16歳と17歳の少年2人が中心となって事件を起こした疑いがあるということです。

警察は、逮捕された少年5人と井上さんが知り合ってから事件までの間にどのようなトラブルがあったのか調べています。

現場の河川敷 友人などが献花

井上翼さん(16)が、遺体で見つかった埼玉県東松山市の河川敷には、26日も友人などが訪れ、花を手向けて悼んでいました。
このうち、井上さんと知り合いの17歳の女子高校生は「いつもニコニコしていて本当にかわいい後輩でした。容疑者が捕まってよかったですが、どうしてこんなことになってしまったのか。私たちに相談してほしかったです。天国でもいつものように笑っていてほしいです」と話していました。また、中学校で同級生だったという16歳の男子高校生は「こんな若くして友人が亡くなってしまうなんてとてもショックです。中学校の時は明るくてクラスのムードメーカーでした。翼くんがこんなことになる前に助けられるなら助けたかったです。絶対に許すことができません」と話していました。

埼玉県教委 文部科学省が聞き取り調査

今回の事件で、中学生3人を含む14歳から17歳の少年5人が殺人の疑いで逮捕されたことを受けて、文部科学省の担当者は26日、埼玉県の教育委員会を訪れ、学校の対応などについて聞き取り調査を行いました。
埼玉県教育委員会を訪れたのは文部科学省で小・中学校や高校の生徒指導を担当する職員2人です。県教育委員会によりますと調査は、およそ1時間行われ、この中で、殺害された井上翼さんが入学から半年余りの去年11月に、県内の定時制高校を退学したいきさつや、教育委員会や学校が行っている退学した子どもへのサポート体制などについて説明したということです。
埼玉県教育委員会生徒指導課の依田英樹課長は「県内に住む少年が殺害され、また、5人も逮捕されたことは大きなショックだ。情報収集を急いで国や市と連携しながら対応したい」と話しました。

少年グループのトラブルによる事件 川崎でも

仲間内のトラブルが原因で少年が死亡した事件は、去年2月、川崎市でも起きています。
この事件は川崎市の河川敷で、中学1年生だった13歳の男子生徒がカッターナイフで首を切りつけられて殺害されたもので、知り合いの少年3人が逮捕されリーダー格の少年が殺人などの罪で、残る2人が傷害致死の罪で起訴されました。
これまでの裁判で、男子生徒は加害者の少年らとトラブルとなり深夜に河川敷に連れて行かれ、携帯電話をとりあげられて、真冬の川で泳ぐよう強制されたあと、殺害されたことが明らかになっています。