高畑淳子、裕太容疑者の10月上旬予定初公判に情状証人として出廷へ
強姦(ごうかん)致傷容疑で23日に逮捕された高畑裕太容疑者(22)の母で女優の高畑淳子(61)が26日、都内で謝罪会見を行った。
立ったまま64分間にわたって涙ながらに親としての至らなさを語った。25日に息子と接見した際に「一生をかけて謝らなければいけない」と語りかけたことを明かした母は、10月上旬にも開かれる公判に情状証人として出廷することにも前向きで、今後は親子で更生の道を歩む。
限界だった。64分間の会見を終えた高畑はふらつきながら、会場を後にした。目はうつろ。当初は着席して質問に答える予定だったが、自ら希望してスタンドマイクの前に立った。予定の30分をオーバーしたことが司会者から伝えられると「すべての質問にお答えしたいと思います」と遮り、質問が尽きるまで立ち続けた。
午前9時から行われた会見には約300人の報道陣が集まった。黒いストライプの衣装で登場した高畑は憔悴(しょうすい)しきっていた。3秒間、深々と頭を下げると「心よりおわび申し上げます」とあいさつ。謝罪の言葉を繰り返し、さらに2度、頭を下げた。
23日に所属事務所から連絡があり「裕太くんが逮捕された」と伝えられた。「何のことか最初は正直、分からなかった」。ニュース番組で事件の詳細を知り、24日に送検された際の映像に衝撃を受けた。「つらいということより『これが現実なのか』というのが一番近い気持ちだと思います」と振り返った。
25日に群馬県警前橋署を訪ねた。裕太容疑者の所属事務所の社長と、裕太容疑者の姉で女優の高畑こと美(29)の3人で15分間、接見。「一生をかけて謝らなきゃいけない」と叱責した。泣き続け、震えていた裕太容疑者は「すいません」「申し訳ない」と繰り返したという。裕太容疑者は「死のうと思った」とも話した。「そんなことを言うなら、こんなことをしてはいけない。(事件の原因は)彼の甘さだと思います」と声を絞り出した。
一方で接見中に母親としての心情があふれ出したことも明かした。「本当に不謹慎で言ってはいけないんでしょうけど『私はどんなことがあってもお母さんだから』と。『姉はどんなことがあっても裕太のお姉ちゃんだから』と言ったと記憶しています」。そう語りながら号泣した。
離婚し、女手一つで育てた息子は学生時代に遅刻や授業態度が悪いなどの生活の乱れがあった。女性関係のトラブルはなかったが、ほれやすい性格など心配もあった。「ここまで愚かだと思わなかったですけど、そういう危惧というのは常にあったような気がします」。自身の子育てについては「自分なりに精いっぱいやったつもりですが、私の育て方がいけなかったのだと思ってます」と肩を落とした。
被害女性に面会しての謝罪を希望しているが、実現していない。裁判について聞かれると「何でもやらなければいけないと思っています」ときっぱり。出演する舞台など仕事の日程が合えば、10月上旬に予想される初公判で情状証人として法廷に立つことを示唆した。責任を持って管理・監督し、親子で更生の道を歩む決意を法廷で語るとみられる。将来的な息子の芸能界復帰について聞かれると「してはいけないことだと思っています」。息子とイバラの道を歩む覚悟がにじんでいた。
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