THAAD:新候補地検討で反対運動が飛び火

金泉が地元のイ・チョルウ国会情報委員長
「星州で害がないなら、なぜ金泉に来るのか。住民に尋ねられたら、返す言葉がない」

 高高度防衛ミサイル(THAAD)配備の第3候補地を検討したいと韓国国防部(省に相当)が決定したことを受け、THAAD反対運動の行われる地域が、これまでの星州郡星州邑だけから新候補地のゴルフ場がある星州郡草田面、ゴルフ場から近い隣の金泉市の計3カ所に増えた。星州邑の既存の闘争委に所属する強硬派は「今週中に新たな闘争委を組織し、THAAD配備撤回運動を行う」と発表した。「ろうそく集会」も続ける方針だ。住民団体が開設したカカオトーク(スマートフォン向け無料チャット・通話アプリ)のグループ・トーク・ルームには「(金恒坤〈キム・ハンゴン〉)郡守のリコールをすべき」という主張まで登場した。

 THAAD配備の新候補地として最もよく名前が挙がっている星州のゴルフ場に近い、草田面韶成里の道路脇には「きれいな村になぜTHAADを配備するのか」「THAAD配備には死んでも反対」という垂れ幕が掲げられた。また仏教系の宗教団体「円仏教」も、ゴルフ場入り口に「THAADではなく平和」という反対の垂れ幕を掲示した。ここには、円仏教の聖地がある。星州のゴルフ場と近い金泉でも拒否の動きが強まっている。金泉市議会や金泉市の社会団体などは「金泉THAAD配備反対闘争委員会」を結成し、農所面・栗谷洞THAAD反対対策委員会の委員長2人、市議会の2人など計5人を共同委員長に選出した。星州のゴルフ場から農所面までの距離は1.7キロ、金泉市栗谷洞革新都市までは8.3キロだ。闘争委は24日午後6時から金泉総合運動場で、住民1万人が参加する大規模な決起大会を開くことを決めた。これに先立ち今月20日には、金泉市民およそ700人が江辺公園野外公演場でTHAAD配備に反対する初の「ろうそく集会」を開いた。農所面THAAD反対委員会も、22日午後8時から面事務所前で住民およそ700人が参加する「ろうそく集会」を開いた。23日にも同じ場所で、住民およそ500人が「ろうそく集会」を行った。

 金泉の反発に関して、韓国国会情報委員会の委員長を務める与党セヌリ党のイ・チョルウ議員は23日、記者の取材に応じて「金泉の住民が決起大会をするということで、残念な気持ち。金泉市民に自制を要請するが、金泉の市民から『星州で害がないなら、なぜ金泉に来るのか』と尋ねられると、返す言葉がない」と語った。なおTHAAD配備の第3候補地としては、星州にあるゴルフ場のスカイコース1番ホール上方、面積約4万7000平方メートルの林野が有力視されているという。

星州・金泉=クォン・グァンスン記者
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