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【スゴ技ニッポン】
「重希土類」使わないHVモーターをホンダと大同特殊鋼が共同開発 9月発売の「フリード」に搭載
ホンダは約10年前から重希土類の使用量を削減する研究を始め、価格高騰を機に共同開発に踏み切った。今回は大同特殊鋼が耐熱性の高いネオジム磁石をつくり、ホンダはモーターの設計を見直すことで、重希土類を使わずに現行のHV用並みの出力やトルクを実現している。
ネオジム磁石はこれまで原料の「磁粉」を1000度程度で焼き固めてつくっていたが、大同特殊鋼は熱を加えながら圧力をかける「熱間加工法」を採用した。焼き固めた磁石に比べて10分の1以下の微細な組織を調整し、結晶方位をそろえることで耐熱性を向上させた。岐阜県にある子会社の工場で量産し、HVにモーターを一つずつ使用するとした場合で、20万台分にあたる年間200万トンの能力を確保している。
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一方、ホンダは、モーターの回転子「ローター」に配置するネオジム磁石の形状を変え、周辺に小穴を開けることで「磁束」の流れを最適化。熱の発生を抑え、磁石とほぼ同程度の耐熱性を実現しているという。
ホンダの研究開発子会社、本田技術研究所四輪R&Dセンターの貝塚正明主任研究員は、「従来もジスプロシウムを使わないネオジム磁石はあったが、HVに使えるほど耐熱性が高いのは世界で初めてだ」と胸を張る。
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