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【スゴ技ニッポン】
「重希土類」使わないHVモーターをホンダと大同特殊鋼が共同開発 9月発売の「フリード」に搭載
ホンダと大同特殊鋼は、レアアースの一種である「重希土類」をいっさい使わないハイブリッド車(HV)の駆動用モーターを共同開発した。中国に偏在する重希土類を使わないことで、コストの急激な変動を抑え、安定的な調達ができるようになる。ホンダが9月16日に発売するミニバン「フリード」の新型HVに搭載し、順次展開を広げる。
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「HVなど電動車比率の拡大で、重希土類の使用量を減らすことが最重要課題だった」。大同特殊鋼の服部篤・自動車材料ソリューション部副主席部員は開発の経緯をこう説明する。
HVの駆動用モーターを回転させる「ネオジム磁石」は強力な磁力を持つ一方、耐熱性が低い。最高200度に達する車内の厳しい環境で長期間使うと磁力が落ち、耐熱性を補う「ジスプロシウム」「テルビウム」といった重希土類を約900グラムのモーターに対し60~70グラム添加する必要があった。
ただ、レアアースは一部地域に鉱床が偏在し、2010年には沖縄県の尖閣諸島沖で中国漁船衝突事件が起き、その後に中国が輸出規制を強化したことで価格が急騰した。近年は豪州や北米でも開発が進み価格も安定してきているとはいえ、重希土類については中国南部に鉱床が限られており、調達リスクが依然として高かった。
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