イスラム教徒の女性向けの、体の線が出にくい長袖・長ズボンの水着「ブルキニ」をフランスの自治体が禁止した措置をめぐり、行政裁判の最高裁にあたる国務院は26日、禁止措置は「信教と個人の自由という基本的自由を、明確かつ違法に侵害する」として凍結する初の判断を示した。
南仏ビルヌーブルベが公共の浜辺で「ブルキニ」タイプの水着を「宗教を誇示し、治安を乱す」などの理由で禁止したことに対し、人権団体などが「人権侵害だ」として凍結を求めていた。下級審は22日に請求を却下したが、国務院は「治安を脅かすリスクにはならない」と判断を覆した。
政教分離を徹底する同国では、イスラム教徒が全身を覆うブルカを公共の場で着用することが禁じられているが、顔が出るブルキニは合法とされる。7月中旬にニースでトラック突入テロが起きた後は、イスラム教徒への風当たりが強まり、ブルキニ禁止は南仏を中心に複数の自治体に広がっている。(ロンドン=渡辺志帆)
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朝日新聞国際報道部
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