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深刻な子どもの“野球離れ” 東尾修が五輪の必要性語る

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(更新 2016/8/14 07:00)

東京五輪での野球の採用決定を受け、笑顔を見せる日本野球機構の熊崎勝彦コミッショナー(右)ら=8月4日 (c)朝日新聞社

東京五輪での野球の採用決定を受け、笑顔を見せる日本野球機構の熊崎勝彦コミッショナー(右)ら=8月4日 (c)朝日新聞社

 西武ライオンズの元エースで監督経験もある東尾修氏は、子どもたちの“野球離れ”の実情を明かしながら、打開の糸口が東京五輪であると力説する。

*  *  *
 国際オリンピック委員会(IOC)の総会で、野球・ソフトボールが2020年東京五輪で復活することが決まった。野球界OBとして、こんなにうれしいことはない。今年1月のヤフオクドームで催した名球会イベントにソフトボールの女子選手も参加してくれるなど、野球とソフトがそろって復活を目指してきただけに、喜びも倍増だよね。

 同時に責任も感じてくる。ファンも野球に注目してくれるだろう。自国開催の五輪だけに金メダルを期待される。

 どうやって大会を盛り上げていくかも大事だ。大リーガーの参加があるかどうか。最終的に「不参加」となったとしても、その過程でどれだけ働きかけをしたかに厳しい目が注がれる。日本代表の監督の人選でも、国民が納得する人物を選ぶ必要があろう。誰もが万事納得する形で進めていくには、時間と労力がかかるよ。プロもアマも、野球界に携わる者すべてが、真剣に議論していく必要がある。

 五輪のステータスは、正直言ってワールド・ベースボール・クラシック(WBC)とは比較にならないほど上だ。これまでいかにWBCが盛り上がったといえども、野球をある程度知っている人たちが中心だった。五輪は違う。金メダルをかけた決勝戦ともなれば、野球を知らない人たちも注目する。

 いちばん影響があると思われるのが、少年少女だ。五輪の大舞台で、野球界が一体となって戦う様子、歓喜の涙を流す姿を見て「野球ってすごい、面白い」と思ってもらえる可能性がある。

 私は世田谷西リトルシニア(東京)の名誉会長をしているが、少年少女の野球離れの現実を見聞きすることが多い。世田谷西は7月末から8月上旬に行われた第44回リトルシニア日本選手権に出場した強豪だが、近隣では、選手が減ってチームがなくなったり、一部の親に練習場までの送迎の負担がかかったり、グラウンドがないためにゲーム形式の練習ができなかったり……などなど。


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