【6月9日 時事通信社】中国海軍の軍艦が沖縄県・尖閣諸島の接続水域を航行したことについて、中国国防省は9日、時事通信の取材に対し「中国の軍艦が本国の管轄する海域を航行するのは合理的、合法であり、他国にとやかく言う権利はない」と回答した。中国は南シナ海問題で「域外国の介入」に強く反発しており、領土問題では決して譲歩しない意志を示し、日米を強くけん制した可能性がある。

 国防省は尖閣諸島について「中国固有の領土だ」と主張。伝えられている状況については、さらに調査する考えを示した。

 中国メディアでは、中ロ両国の軍艦の航行について、「釣魚島(尖閣諸島の中国名)に対する中ロの共同軍事演習の可能性がある」とも報じられている。

 中国は南シナ海問題で国際社会の批判の高まりを警戒。近く示されるとみられているオランダ・ハーグの仲裁裁判所の判断にも従わない考えを繰り返し表明してきた。一方で、東シナ海で米軍偵察機に中国軍戦闘機が異常接近したとの米側発表について「中国軍機は一貫して法に従っている」と否定。急速な海洋進出に対抗する日米などの動きにいら立ちを強めているとみられる。(c)時事通信社