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ホンダ、新型「NSX」の受注開始。1グレード展開で価格は2370万円

43都道府県に133拠点の「NSX PERFORMANCE DEALER」を展開

2016年8月25日 受注開始

2370万円

 本田技研工業は8月25日、新型「NSX」の受注を開始した。1グレード展開で価格は2370万円。

モデルエンジン変速機駆動方式価格
NSXV型6気筒DOHC 3.5リッターツインターボ9速DCT4WD23,700,000円

 新型NSXの導入にあたり、販売は新設の「NSX PERFORMANCE DEALER」で実施するのは既報のとおり。同ディーラーは新型NSXのメンテナンスに必要な専用設備を備え、かつホンダが認定したサービスエンジニア「NSX スペシャリスト」が在籍しているのが特徴。8月25日の発表時点で43都道府県(山形県、滋賀県、高知県、宮崎県、沖縄県をのぞいて全都道府県をカバー)に133拠点を展開する。

 新型NSXは、8月25日からはじまる「Honda ウエルカムプラザ 青山」での車体および各種オプション展示を皮切りに、東京地区では8月27日~31日に表参道ヒルズ、8月27日~10月2日に羽田空港(東京国際空港/国内線 第2ターミナル2F)、9月3日~13日に六本木ヒルズ、9月16日~10月2日に東京駅、その他地区では8月29日~9月11日に大阪ビッグマン、9月20日~10月2日に名古屋駅でそれぞれ展示される予定になっている。

新型NSXのパワーユニットは、エンジンに3モーターを組み合わせたSH-AWDによるハイブリッド方式を採用。縦置きV型6気筒直噴3.5リッターツインターボエンジンと9速DCT、エンジンと9速DCTの間にレイアウトされるモーターをリアに搭載するとともに、フロントに左右独立制御の2モーターを配置。システムが総合的に生み出す最高出力は427kW(581PS)、最大トルクは645Nm(65.8kgm)となっている

パワーユニット、走行モードについて

 1990年9月に登場した初代NSXは、走る・曲がる・止まるの高次元バランスを目指した「ビークル・ダイナミクス」、快適で最適なドライビングをもたらす「ヒューマン・フィッティング」、さまざな天候や道路、走行時の環境に適合するための「ロードコンディション・アダプタビリティ」という3つの技術軸を中心に開発。

 その結果として、オールアルミボディを筆頭にエンジン、シャシー、足まわり、シートの構造部材にアルミ合金を使用して軽量化を追求するとともに、自然吸気のV型6気筒DOHC 3.0リッター VTECエンジンをミッドシップレイアウトするという、ホンダ独創のミッドシップ・スポーツカーが誕生した。

SH-AWDのシステム構成

 そして今回の新型NSXでは、初代NSXと同じく“人”の存在を重視した設計をベースに、今までにない“意のまま”感覚の操る喜びを味わえる「NEW SPORTS EXPERIENCE」、世界第一級の速さを目指した「PEAK PERFORMANCE」、優れた視界と快適な操縦性を確保する、初代NSXの価値でもある「DRIVER-CENTRIC COCKPIT」という3軸を中心に、街乗りからサーキットまで楽しめるスーパースポーツモデルの開発に取り組んだという。

 まずパワートレーンでは、V型6気筒直噴3.5リッターツインターボエンジンを縦置きミッドシップに配置し、その直後にクランクシャフト直結のモーターを搭載。トランスミッションは9速DCTで、車両前方には左右独立制御の2モーターを配置した。ハイブリッドに必要なバッテリーは、高圧配電部品と一体化した「インテリジェントパワーユニット(IPU)」として乗員の背面に搭載され、センタコンソール下方の「パワードライブユニット(PDU)」を介して3つのモーターをコントロールしている。

 10.0というターボエンジンとして高めの圧縮比に設定して燃焼効率を高めつつ、筒内直接噴射+ポート噴射、高タンブル吸気ポート、プラズマ溶射シリンダー、大容量の空冷式インタークーラーなどを用いてノッキングを抑制したエンジンは、最高出力373kW(507PS)/6500-7500rpm、最大トルク550Nm(56.1kgm)/2000-6000rpmを発生。Vバンク角75度としてエンジンスペースぎりぎりまで広角化したほか、ドライサンプ潤滑方式の採用により低重心化を実現。このエンジン生産においては約1時間、距離にして240km走行相当の慣らし運転が行なわれ、その後専用の設備を用いて組み上げたエンジンの回転バランスを高精度に計測。バランスが崩れていた場合はバランス用ボルトで厳密に調整が行なわれるという。

V型6気筒直噴3.5リッターツインターボエンジンは最高出力373kW(507PS)/6500-7500rpm、最大トルク550Nm(56.1kgm)/2000-6000rpmを発生
Vバンク角75度としてエンジンスペースぎりぎりまで広角化したほか、ドライサンプ潤滑方式の採用により低重心化を実現
9速DCT
インジェクションシステムは直噴を採用しつつ、高回転・高トルク域ではポート噴射を併用することでより高い出力を発生することが可能になった
アルミ製エンジンではシリンダー内側に鋳鉄製ライナーを配して耐摩耗性を確保するのが一般的なところ、新型NSXのエンジン内部ではプラズマ溶射シリンダーを採用。シリンダー内壁に極薄の鉄粒子膜を生成することで、鋳鉄製ライナーを用いることなく優れた耐摩耗性を実現したという
エンジン回転の特性図

 モーターに関しては、エンジンと9速DCTの中間に後輪の駆動をアシストする最高出力35kW(48PS)/3000rpm、最大トルク148Nm(15.1kgm)/500-2000rpmの「ダイレクトドライブモーター」(1モーター)をレイアウト。ダイレクトドライブモーターはエンジンスターターとしての役目も兼ねたことで、従来のスターターモーターの駆動に必要でトランスミッションの大径化につながるリングギヤが不要となり、エンジンのドライサンプ化と合わせて低重心化にも貢献している。

 一方、エンジン駆動が行なわれない前輪には、左右輪それぞれに最高出力27kW(37PS)/4000rpm、最大トルク73Nm(7.4kgm)/0-2000rpmのツインモーターユニットが各々の駆動を受け持つ。このツインモーターユニットでは、モーターの許容回転数を超える超高速域ではプラネタリー減速機構のブレーキを解除してリングギヤを回転可能な状態にし(リングフリー制御)、タイヤとモーターを切り離すことでモーターを保護。旋回時には左右モーターに等しく逆向きのトルクを与えることでトルクベクタリングを実現。モーターの許容回転数を1万5000rpmにするなどして200km/hまで駆動力をアシストする。

 ハード・ソフトともにホンダ内製とした9速DCTでは、1速を俊敏な発進加速を行なうためのギヤ、9速を静かにクルージングするギヤと位置づけ、2速~8速をスポーティな走りを楽しむ設定とした。自動変速モードではドライバーがアクセルを踏んだ際、期待どおりの加速が得られるよう事前のブレーキング時にシフトダウンするなど、「走行状況やドライバーの操作から最適なギヤを瞬時に選択するソフトウェア開発にこだわった」としている。

 また、トランスミッションケースには高強度ハイシリコン材を、ギヤ全段に強度に優れた独自のギヤ材を採用するなど、各部の高強度化や低フリクション化を行なうことで、強大なパワーを確実に路面に伝達することを可能にした。加えてデュアルクラッチには鉱物油を、高温になりやすい変速ギヤやデファレンシャルギヤには信頼性の高い化学合成油を採用したほか、変速ギヤそれぞれにオイルを直接噴射することで冷却性能も高めている。

SH-AWDのシステム構成
ダイレクトドライブモーター

 なお、新型NSXでは「QUIETモード」「SPORTモード」「SPORT+モード」「TRACKモード」という4種類の走行モードを用意。それぞれの特性は以下のとおり。

メーターまわり
「QUIETモード」

・「QUIETモード」
静粛性を目的としたモードで、エンジン始動を穏やかにするとともにバッテリーの充電状態に応じてアイドルストップとEV走行を優先。9速DCTとの協調制御によって常にエンジン回転を低く抑え、静粛性と燃費を高める。ツインモーターユニットは軽快感を重視しながら、安定性を両立するトルクベクタリングを実行。ステアリングとブレーキはスポーティでありながら扱いやすい特性とし、アクティブ・ダンパー・システムは安定性を保ちながら俊敏でスムーズな走り味となるよう4輪の減衰力を独立制御する。

「SPORTモード」

・「SPORTモード」
走りと燃費をバランスさせたモードで、ペダル操作や車速変化などからドライバーがスポーティな走りを望んでいると判断した場合にアイドルストップとEV走行を禁止し、9速DCTはシフトホールド制御によりシフトアップを抑え、やや高回転域を使用することでアクセルレスポンスを向上する。トルクベクタリング、ステアリング、ブレーキ、アクティブ・ダンパー・システムは「QUIETモード」と同様。暖気後の始動では、パワーオンと同時に爽快なサウンドで走りの高揚感を演出する。

「SPORT+モード」

・「SPORT+モード」
ワインディング走行に適した俊敏かつ力強い走りを実現。アクセルレスポンスを最大化させるため、SPORTモード以上に高いエンジン回転数を使用し、変速時間の短縮やシフトダウンの際のオートブリッピングを実施。アイドルストップとEV走行を無効化する。ツインモーターユニットはより積極的なトルクベクタリングを行ない、アクティブ・ダンパー・システムは減衰力を増大するとともにレスポンスを早期化。ステアリングはよりダイレクトに路面からのフィードバックが得られるよう、EPSのアシスト特性を最適化する。

「TRACKモード」

・「TRACKモード」
サーキットでコンスタントに最速ラップを出すことを目指したモード。ピークパワーを使い切れるよう、エンジンは高回転を維持して運動特性を最大化。コーナーの進入から立ち上がりまでのシーンに適したバッテリー充電/モーターアシスト/トルクベクタリング/VSAのマネジメントを実施。ローンチモードの選択もでき、簡単な操作でロケットスタートが行なえる。

走行モードについて
項目QUIETモードSPORTモードSPORT+モードTRACKモードTRACKモード(ローンチ)
狙い静粛性幅広いシーンでの最適な走りエキサイティングな走りサーキットでのコンスタントな最速ラップサーキットでのロケットスタート
想定シーン住宅街・市街地市街地~高速道路ワインディングサーキット
駆動特性静粛性重視(EV走行しやすい特性)リニアレスポンスダイレクトレスポンスサーキットでのコントロール性重視最大加速
シフトスケジュール静粛性・燃費優先(エンジン4000rpm以下)走りと燃費の両立パフォーマンス優先サーキット最適
アイドリングストップ有効無効
EV走行有効無効
エネルギーマネジメント走りと燃費の両立パフォーマンス優先サーキット最適最大加速
電動サーボブレーキシステムコントローラブルでパワフルなブレーキフィール剛性感とレスポンスを最大化
電動パワーステアリングスポーティなステアフィールドライバーフィードバックを増大
トルクベクタリング軽快感と安定性の両立俊敏性向上リミットドライブで最大パフォーマンスを発揮
VSA/アジャイルハンドリングアシスト軽快感と安定性の両立俊敏性向上リミットドライブで最大パフォーマンスを発揮
アクティブ・ダンパー・システムスポーティーフィールと快適性の両立パフォーマンス最大化
エンジンサウンド静粛性優先スポーティサウンドエモーショナルサウンドドライバーフィードバック最大化

空力性能とともに冷却性能も追及

 パッケージングでは、フロントとリアのオーバーハングを最小化してホイールベース内に重量物を集中。マスの集中化を徹底することでヨー慣性モーメントを低減させたほか、前後重量配分をフロント42:リア58として操縦安定性を高めた。

 フレーム部では、3次元熱間曲げ焼き入れ(3DQ)超高張力鋼管フロントピラーを自動車のボディ骨格・強度部材として世界初採用。熱してから連接ロボットアームによって3次元に形成後、ウォータージェットによって冷却することで1500MPaという超高張力を実現しており、この成形技術によってフロントピラー断面を極限まで小さくし、さらにダッシュボード面を低くするなどして初代NSXを上回る優れた前方視界を確保。

新世代のスーパースポーツにふさわしい高剛性と最大限の軽量化を達成するために、高剛性の押出成形アルミ材を中心とした複数素材によるスペースフレームを新開発。3次元熱間曲げ焼き入れ(3DQ)超高張力鋼管フロントピラーを自動車のボディ骨格・強度部材として世界初採用している
カーボンファイバー・フロア、プレス加工アルミ、耐高温性プラスチックなど、ボディパネルにもさまざまな軽量素材を採用。各種素材の選択は軽量化、前後重量配分と重心の最適化、耐久性確保の見地から厳選
新型NSXでは、衝突安全性を確保するためにボディの主要個所で最適な衝突エネルギー吸収性と高剛性を確保しながら、車両前後のオーバーハングを最小化することがもっとも困難な課題だったという。そこで従来の鋳造手法に高速冷却技術を取り入れた、自動車業界で初めて採用される「アブレーション鋳造技術」(写真の黄色い個所)を採用
初代NSXと同様、「スーパースポーツであっても、視界が優れている方が当然ながら運転しやすく、正確なドライビングに寄与する」という思想のもと、視界の確保を徹底的に追求。3次元熱間曲げ焼き入れ(3DQ)超高張力鋼管フロントピラーにより断面を小さくしたフロントピラー、位置を外側にオフセットしたドアミラー、ダッシュボードを低くするなどして実現している
ステアリングでは上部を平たくして前方と横方向の視界を向上。また、パドルシフトは9時15分/10時10分のいずれの位置でも操作しやすい長さを確保した
シフト操作をスイッチ式としてセンターコンソールからレバーを廃止したエレクトリックギヤセレクターを採用。写真は走行モードを選択するロータリースイッチ

 空力面について、エアロダイナミクス性能の追求とともに冷却性能も高める必要があるため、ボディ上部と下部を流れる空気を制御するだけでなく、前方と後方のパワーユニットを流れる空気も制御するという「トータル・エアフロー・マネジメント」の考え方により、ボディの流線形形状、パネルの表面、吸排気ダクト、フローティングリアピラーの位置、構成部材の形・厚みに至るまで徹底的にこだわり設計を実施。

 このトータル・エアフロー・マネジメントを確立するにあたり、特にリアまわりをいかに効率よく冷やすかが課題だったという。リアまわりは空気を引き込むことが困難であるため、新型NSXでは「エアカーテン」と呼ばれる新しい空力手法を導入した。これはフロントのツインモーターユニットを通過した空気をフロントフード左右のベントから出すだけでなく、一部ホイールアーチを通過させて前輪ブレーキを冷却し、さらにホイールアーチから出る際に縦に薄い空気層のエアカーテンとすることで乱流を抑制するというもの。ドアパネルに沿った空気流を安定化させ、スムーズにサイドインテークへ引き込むことに成功している。これらにより、全体の空気流はエンジンラジエーター(×3)、ツインモーターユニットクーラー、コンデンサー、パワードライブユニットクーラー、9速DCTギヤクーラー、9速DCTクラッチクーラー、インタークーラー(×2)を通過し、すべてのパワーユニット構成部品を冷却するという。

 エクステリアでは低いボディ下面、大きく張り出したフェンダーを採用したほか、前後バンパーは空力にも寄与する、ウイング形状が重なり合って形づくっているようなイメージを持たせ、軽さをイメージしながら全体では1つの塊感のある力強いスポーツカーであることを表現。また、新型NSXのデザイン面で大きな特徴となっているフローティングリアピラーは、造形の一部として存在感を強調。また、勾配を持ったリアのルーフラインから外側に張り出すリアピラーは、車両の側面に沿って流れる空気流を効率的にサイドインテークに誘導。リアの熱排気ベントまわりやリアウィンドウの外側終端付近に負圧ゾーンを形成することで熱排気の効率を高め、エンジン冷却にも寄与する。

 そのほか、エクステリアのアグレッシブさを強調する「ジュエルアイLEDヘッドライト」は片側6個のLEDで構成され、ロービーム時は外側4個が、ハイビーム時は6個すべてが点灯。また、シャープなデザインの「エアロダイナミクス・サイドミラー」では薄型ブレードアームを採用し、外乱を抑える設計にするとともに局部的な風切り音を減少。さらにドアハンドルをドアパネルと同一平面上にデザインするなどして徹底的に空力性能を追求している。

ジュエルアイLEDヘッドライト
足下はフロント19インチ、リア20インチホイールにコンチネンタルと共同開発した「ContiSportContact 5P」の組み合わせ
空力性能とともにエンジン冷却にも寄与するフローティングリアピラーのデザイン

 ボディカラーについては、世界のサーキットを想起させる名称が与えられ、67万円高となる特別色の「ヌーベルブルー・パール」「バレンシアレッド・パール」、高品質なメタリック&パール塗装の有料色(8万5000円高)「カジノホワイト・パール」「ソースシルバー・メタリック」「ノードグレー・メタリック」、標準色の「カルバレッド」「130Rホワイト」「ベルリナブラック」という計8色が用意されている。

ボディカラーの名称の由来
ボディカラー名称の由来
ヌーベルブルー・パールモナコ湾を見下ろすヌーヴェル・シケインにちなんだ名称
バレンシアレッド・パールスペイン バレンシアのストリートコースで行なわれていた、かつてのF1ヨーロッパGPをイメージした名称
カジノホワイト・パールモナコ伝統のカジノコーナーにちなんだ名称。ラグジュアリーで魅惑的、スピード感をイメージ
ソースシルバー・メタリックベルギーのスパ・フランコルシャンにある有名なラ・ソース・ヘアピンにちなんだ名称
ノードグレー・メタリックノルドシュライフェとして知られるニュルブルクリンクをイメージした名称。深い森の緑を感じるカラー
カルバレッド「カーブ」という意味。モンツァなど著名コースのコーナー名にも含まれ、ホンダとアイルトン・セナとの絆もイメージ
130RホワイトF1のベストコーナーの1つである鈴鹿サーキットのコーナー名を用いた名称。チャンピオンシップホワイトの後継色
ベルリナブラック初代NSXから四半世紀以上継続された伝統のブラックカラー

磁性流体式のアクティブ・ダンパー・システム

 前後ともオールアルミニウムとなるサスペンションについては、フロントに「オールアルミニウム・インホイール・ダブルウィッシュボーン・サスペンション」を、リアに「オールアルミニウム・インホイール・マルチリンク・リアサスペンション」を採用。ダンパーには微細な金属粒子を含む特殊なオイルの硬度を電磁コイルによって制御することで瞬時に減衰力を変化させる、磁性流体式のMRダンパーを用いた電子制御式のアクティブ・ダンパー・システムを採用。新型NSXでは各輪のストロークセンサーとボディ3カ所に設置した加速度センサーでボディ姿勢をセンシングし、ミリ秒単位でロールとピッチング方向の減衰力をコントロール。バルブタイプの可変ダンパーと比べ、広範囲にわたる減衰力と優れたレスポンスを特徴とした。

オールアルミニウム・インホイール・ダブルウィッシュボーン・サスペンション
オールアルミニウム・インホイール・マルチリンク・リアサスペンション

 また、ブレーキシステムにはブレンボ製のアルミモノブロック高性能ブレーキシステム(フロント6ピストン/リア4ピストン)を搭載。大型キャリパーと複数ピストンの“液損”によるペダルフィールへの悪影響を電動サーボブレーキシステムの制御で抑制し、自然なペダルフィーリングを実現。常に優れた効きとコントロール性を実現するため、ブレーキの効きはじめはペダルストロークをセンシングし、深く踏み込むに従って踏力のセンシングに切り替えるというシステムが備わっており、特にフルブレーキング時に深く踏み込んだ際の微妙なペダル操作を高い精度でくみ取り、優れたコントロール性を実現したという。

 専用開発となるフロント19インチ、リア20インチホイールにはコンチネンタルと共同開発した「ContiSportContact 5P」(フロント245/35 ZR19、リア305/30 ZR20)を組み合わせた。ホイールは高剛性のアルミ鍛造とし、優れた横剛性を確保しながら外観は軽さを表現する3次元加工を施した「Exclusive Interwoven」を採用している。

 このほかオプションとしてカーボンセラミックマテリアル・ディスクブレーキ(ドリルドタイプ。113万4000円~120万円)を設定。標準ブレーキパッケージに対し約23.5kgもの軽量化になるとしており、高負荷状況における耐フェード性能を大幅に向上させている。

デュアルピニオン可変ギヤレシオEPS
カーボンセラミックマテリアル・ディスクブレーキ(ドリルドタイプ)

オプションについて

ホンダアクセスの純正アクセサリー装着車

 そのほか新型NSXを内外装を彩るオプションを用意。

 受注生産として用意されるのは、エクステリアではカーボンファイバー製のフロントスポイラー、サイドシル、リアディフューザーおよびダーククロームのエキゾーストフィニッシャーで構成される「カーボンファイバー エクステリアスポーツ パッケージ」(108万円)、存在感を高める「カーボンファイバー リアデッキリッド スポイラー」(36万円)、手作りとなる「カーボンファイバー エンジンカバー」(40万円)を用意。

 インテリアでは運転席側メータークラスター上のカーボンファイバー・メーターバイザー、カーボンファイバー・ステアリングホイール・ガーニッシュ、アルミ製スポーツペダルとフットレストを組み合わせた「カーボンファイバー インテリアスポーツ パッケージ」(36万円)、「電動4ウェイパワーシートセミアニリンレザー/アルカンターラ」(32万4000円)、「電動4ウェイパワーシートセミアニリンフルレザー」(45万円)が設定される。

 これらに加え、純正アクセサリーとしてホンダアクセスが鍛造アルミホイールやサイドステップガーニッシュ、フロアカーペットなども用意されている。

ホンダアクセスがスポンサードするSUPER GTチームへ2014年から供給しているホイールのレプリカモデル「Modulo アルミホイール MR-R03」(グリントブラック塗装)。フロントは19×8 1/2J インセット55mm、リアは20×11J インセット55mm。価格はフロントが37万8000円/本、リアが48万円/本
ホワイトのLEDイルミネーションを内蔵する「サイドステップガーニッシュ」。カーボンファイバー製で19万9800円(左右2枚セット)
ストレッチサテン製の「インドアボディカバー」(NSXロゴ入り)は、専用収納バッグ付で5万4000円
専用接続コネクター付きの「バッテリーチャージャーキット」(AC100V専用)。価格は4万3200円
マックガード製の「ホイールロックボルト」(4本セット)は2万1600円
ブラックの「フロアマット&トランクマット」は運転席と助手席、トランク用5枚セットで16万2000円
トランクネット。1万800円
DSSS(安全運転支援システム)対応の「VICS 光・電波ビーコンユニット」は3万2184円