【噴水台】民間外交の花、「スポーツ韓流」

【噴水台】民間外交の花、「スポーツ韓流」

2016年08月23日08時13分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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  今回のリオオリンピック(五輪)でも感動の瞬間は続いた。女子陸上5000メートルで足がからまって転倒したニュージーランドと米国の選手が互いに励まして完走する姿、韓国の17歳の体操選手イ・ウンジュが10歳年上の北朝鮮のホン・ウンジョンと写真を自撮りする光景などがそうだ。

  だが個人的に最も脳裏に残っているのはバドミントン女子ダブルスで日本の高橋礼華・松友美佐紀ペアが優勝するやいなや韓国出身のパク・ジュボン監督と抱き合って涙を流した場面だった。

  「バドミントン界の伝説」パク監督は韓国式のスパルタ練習によって2004年アテネオリンピックで選手13人中12人が初戦敗退するほど弱かった日本のバドミントンを換骨奪胎させた。パク監督の日本の弟子は準決勝戦で韓国を破ったが誰も彼を悪く言わなかった。「それが国威の宣揚」という称賛一色だ。パク監督を見る日本側の視線もやさしい。慰安婦の摩擦にともなう沈殿物が残っている状況で久しぶりに韓日間の反感を和らげた好材料だった。こういうものがまさに民間外交の力だ。

  今回のオリンピックでは18人の韓国人監督が16カ国で活躍した。この中には外国の弟子を厳しく仕込んで成功したものも多い。まずベトナムに初めて金メダルをもたらしたパク・チュンゴン射撃チーム監督がいる。彼は10メートルピストルで優勝したゾアン・ビン・ホアンを仁川(インチョン)射撃場まで連れてきて訓練した。中国に男子柔道の銅メダルをプレゼントしたチョン・フン監督は厳しかった。苛酷な練習に選手30人が夜中に逃亡してチョン監督が連れ戻した。テコンドーとアーチェリーでタイと米国に銀メダルを抱かせたチェ・ヨンソク、イ・ギシク監督もその国では英雄だ。

  日本とは慰安婦、中国とはTHAAD問題で刺々しい。ベトナムと韓国はベトナム戦の時に銃口を向け合った間柄だ。こうした中これらの国での韓国の監督の成就は韓国に対するイメージを大きく改善させたことだろう。

  スポーツには憎しみを溶かす力がある。1995年に人種差別が深刻だった南アフリカ共和国。たった1人をのぞいて全員白人だけで構成されたこの国のラグビーチームは黒人の全面的な応援の中でワールドカップ優勝を成し遂げる。白黒摩擦の解消に大きな役割を果たしたのはもちろんだ。79年に実現した米中国交正常化も両国の卓球選手間の友情から始まった。

  この際「スポーツ指導者韓流」がさらに繁盛するよう全社会が助けてあげたらという願いだ。私たちも国籍を離れてすべての海外指導者に心を開くのはどうだろうか。日本・中国の監督が韓国の柔道・ダイビング代表チームを鍛えて彼らが金メダルを取ってもおかしくはない。

  ナム・ジョンホ論説委員
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