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高額ながん治療薬「オプジーボ」の値下げを厚労省が提案
高額ながん治療薬「オプジーボ」について、厚生労働省は24日、次回の薬価改定を待たずに薬価を特例的に見直すことを、厚労相の諮問機関である中央社会保険医療協議会(中医協)の専門部会に提案した。
高額薬が保険財政に与える影響が懸念されていることを受け、年末までに結論を出し来春にも実施したい考え。
厚労省は見直しの対象とする薬剤を、平成27年10月~28年3月に効能の追加が行われた医薬品で、28年度の市場規模が当初予測の10倍を超え、かつ1千億円を超えるものと規定。通常は2年に1度行われ、次回は30年度に予定されている薬価改定を待たずに、緊急的に価格を引き下げることを提案した。
オプジーボは日本発の画期的な免疫療法薬として、皮膚がんの一種であるメラノーマの治療薬として26年9月に発売された。患者が年470人と少数に限られると見込まれたことから100ミリグラム約73万円の薬価が中医協で認められたが、昨年12月から肺がんも保険適用となり対象患者が数万人に拡大。現行制度は適用拡大による薬価改定は行われないため、高額な薬剤費が保険財政に与える影響が懸念されている。