名古屋市天白区の原駅。バスターミナルの役割も兼ねたこの駅周辺は、名古屋市のなかでも郊外の住宅街チックな雰囲気。
そんな原駅なので、庶民的なお店が多く、親しみやすいお店で駅周辺はあふれています。私が行ったお店もそんな親しみやすい庶民的なお店のひとつ。名前は「どんどん」。広島風お好み焼きを名古屋で提供する珍しいお店です。
住宅街の中に煌々ときらめくネオンの看板
原駅周辺は住宅街ということもあり、夜はライトの光がめちゃくちゃ明るいというわけではありません。そんな薄暗い住宅街のなかに、カラフルなネオンが輝くとあるお店があります。そのお店こそが広島風お好み焼きを提供する「どんどん」さんです。
一見かなり怪しい見た目のネオンをくぐりぬけて店内へ入ってみると、そこには大きな鉄板の置かれたカウンター席と、奥に広がる座敷席。さすがは郊外だけあって大きなお店です。
お客さんの層は、一人で来ているおじさんに、子ども連れのご夫婦、スーツのままできているサラリーマングループと多種多様。本当に庶民的なお好み焼き屋さんだなという印象。
お好み焼きのほかには、鶏もも塩焼き(600円)や豚キムチ(600円)といった鉄板メニュー以外にも、白ご飯(150円)や赤だしなど、「単品メニューで定食ができるな」というラインナップ。実際、ビール片手にお好み焼きをつまみ、ご飯を食べているお客さんもいらっしゃいます。……メタボ一直線のメニュー構成ですが大丈夫でしょうか。
まあ、それはお客さんの勝手ですね。私も自分の料理を頼むことにしましょう。
人生初めての広島風お好み焼きを体験
ちなみに、私は恥ずかしながら広島風お好み焼きが初体験。もっと言うと、お店でお好み焼きというものを食べること自体が初めてです。
コープで半額になっているべちゃべちゃのお好み焼きなら食べたことがあるんですけどね……。九州の田舎出身の人間で、粉ものに親しみがあるという人間のほうが少ないんじゃないでしょうか。
そんな粉もののお店が地域に数えるほどしかない田舎に生まれた私なので、初めての広島風お好み焼きにわくわくどきどき。店長さんに「広島風と関西風のお好み焼きって何が違うんですか?」と話しかけながら、調理風景を眺めます。めんどくさい客です。
結果、いろいろと教えてもらったのですが、「一番わかりやすい違いは、関西風は粉と具を混ぜるけど、広島風は粉が薄くて具と混ぜないところかな」とのこと。なるほどなるほど。確かに、どんどんでは具材をのっけていくだけで混ぜたりはしていません。
そして待つこと10分ほど。いよいよ目の前にお好み焼きがおかれ、店長さんが食べやすいように目の前でカットしてくれました。
初めて食べた印象としては、なにより食感が面白かったです。薄く塗られたカリっとした生地。長めに蒸し焼きにされてシンナリしつつもシャキシャキ感のある甘いキャベツ。そしてアクセントに豚肉のジューシーさと濃厚なソース。
カリっ、シャクっ、フワッ、トロっ。
うん、口の中での混ざり具合がいい感じ。猫舌なので、口に放り込むたびにホッホッと熱い息をはきます。ゆっくりさませばいいのですが、こういうのは熱いうちに食べるのがおつというものですよね。
おいしかったです。ごちそうさまでした。こんなお好み焼き兼定食屋兼居酒屋みたいなお店ってやっぱり名古屋でもかなり少なくなってきていますし、近くにあったら毎週でも行きたいのになあと思えるお店でした。
一人ではもちろんのこと、駐車場や座敷もあるので家族連れでもおすすめの老舗ですよ。昔ながらのなつかしさのあるお店で、熱々のお好み焼きを楽しんでみてはいかがでしょうか。
広島風お好み焼き どんどん
愛知県名古屋市天白区原1-2202 IBはら1F
平日18:00~22:30(L.O.22:00)
土日11:30~14:00、17:30~22:00定休: 月曜