2016-08-24
俺ァゴジラ
巷ではけっこうなプレ値がついているゴジラ2016（第二形態）及びゴジラ2016（第三形態）、通称“蒲田くん”と“品川くん”を遅ればせながら購入することができたのでかんたんリペイント。蒲田くんはMr.ウェザリングカラーのステインブラウン、品川くんはマルチブラックでウェザリングを施した。なお、口元やエラにはMr.カラーのマルーンを塗り、目玉と併せて光沢を加えている。残念ながら写真資料に乏しい2体なので、ちゃんとした答え合わせはできていないが、特に蒲田くんはかなり化けたんじゃないかしら。
“鎌倉さん”ことゴジラ2016（第四形態）のほうは、年末のS.H.モンスターアーツ版を予約していることもあって、いまいち食指が動かなかった。というか、そもそもゴジラというキャラクターそのものには思い入れがないというか、デザイン・造形的に魅力を感じているワケではないので、敵怪獣以外のソフビを買い求めることは滅多にないのである。まあ、鎌倉さんの場合、この上なく醜悪なゴジラというインパクトがあったから、ひとつくらいは立体物を手元に置いておきたい衝動に駆られたんだけど、映画内のパフォーマンスがルックスに追いついてなかったような気がして、ソフビまで買うには至らなかったという感じ。
その点、蒲田くんはゴジラというよりもウナギザメの怪獣だから、サメ大好きっ子倶楽部として外せないったら外せない。映画でいちばん気に入ってるシーンも、蒲田くんが無数の船舶を押し上げながら川から上陸するシーンなのだ。正直な話、VFXの仕上がりはいまひとつといったところだったし、他にもカッコいいシーンはあるんだけど、単純に今まで観たことのない絵面を見せてくれたという感動が大きい。やっぱり怪獣は暴れてナンボだと思います。
結局、鎌倉さんはイデオンばりの全方位攻撃こそあったものの、ただ歩いて寝ていただけという印象が強い。普段から怪獣映画に親しんでいない層からすると、そこが新鮮で面白かったのかもしれないが、家に帰ってからソフビをぶん回して完全再現するまでが怪獣映画だもんね。
で、怪獣映画に親しんでいないといえば、今回のゴジラは可哀想だったという意見がある。その語り口が穴だらけで稚拙だったため、大半の人間から一笑に付されてしまった感があるものの、まったく見当はずれの話とも思えなかった。怪獣ファンにとって、怪獣の側に立って映画に臨むことは珍しくもなんともないからだ。
もっともこれは日本の怪獣映画ならではの感覚かもしれない。海外のモンスター映画は、エイリアン・ウォーリアーやアラクニドバグズのような群獣が多いということもあるだろうが、そうでなくても人間の主人公に感情移入しながら観ることが多い。自分だったら、どうやってこのモンスターと戦うだろうか……そんなことを考えながら映画に没頭していく。逆に日本の場合、ゴジラ映画だったらゴジラ、ガメラ映画だったらガメラになったつもりで街を破壊したり、敵怪獣に戦いを挑んでいくのだ。メカゴジラもバルゴンも手強かったなあ。モスラは、いつか絶対シメる。
先ほど、ゴジラ自体は好きじゃないと書いたが、それは元祖ゆえに簡素すぎる姿かたちをしているからだ。やっぱりガイガンのようにノコギリが付いていたり、メカゴジラのように綺羅びやかな装甲をまとっているほうが断然カッコいい！ しかし、美少女ゲームやアニメの主人公は、プレイヤーなどが感情移入しやすいよう、敢えて没個性な性格や見た目に設定されることが多いと聞く。ひょっとするとゴジラも、シンプルだからこそ自分と同一視しやすいのかもしれない。
とまれ、今回もゴジラになったつもりで映画を観ていたので、米軍もろとも都心を焼き払うまでは気持ちよかったものの、何もかも人間側に都合よく事が進んでいく終盤は辛かった。人間どもは追いつめられると、すぐ寝込みを襲ってくるんだよ。正々堂々、真正面からありったけのミサイルとバルカン砲で来いっつの。くやしいのうくやしいのう。巨災対だか何だか知らないけど、お前らが子供を作ったら、そいつの魂をどけて身体を乗っ取ってやるからな。おれは……ゴジラだ！
ムービーモンスターシリーズ ゴジラ2016（第二形態）/バンダイ
ムービーモンスターシリーズ ゴジラ2016（第三形態）/バンダイ