西村宏治
2016年8月25日09時56分
清酒大手の黄桜(京都市)が今秋から、地ビール生産を本格化させる。これまで観光レストランに併設した醸造所で造っていたが、「クラフトビール」と呼ばれる高品質な地ビールのブームを受け、新しい製造ラインを設けた。全国に出荷できる体制を整える。
黄桜は1995年に地ビール生産に参入。「京都麦酒(ばくしゅ)」などのブランドで、京都市伏見区に設けた観光施設「キザクラカッパカントリー」など、関西地区を中心に販売してきた。モットーは「舌で味わうビール」。日本酒の蔵元として、のどごしよりも味にこだわり、うまみを残す濾過(ろか)技術などを採用している。
生産能力は最大で年間200キロリットルだったが、ここ数年は地ビール人気で需要に応えられない状況だった。このため、新しい製造ラインと見学施設を兼ねた工場「伏水蔵(ふしみぐら)」を本社の構内に設けた。地ビールの生産能力を最大4千キロリットルまで引き上げ、地ビールとしては全国でも上位を争う規模にする。2016年は1千キロリットルの生産を見込む。
松本真治社長は「米国などは地ビールがビール市場の1割以上を占める。日本では1%にも満たないが、近いうちに2~3%は占めるようになるのでは」とみる。
伏水蔵には地ビール醸造施設のほか、日本酒の高級酒の製造ラインも造った。25日から見学や食事ができ、観光客など年間20万人の利用を見込む。問い合わせは同社(075・644・4488)。(西村宏治)
新着ニュース
おすすめコンテンツ
(PR)くらべてお得!