関東・東北豪雨で被災の古文書 修復作業始まる

関東・東北豪雨で被災の古文書 修復作業始まる
去年9月の関東・東北豪雨で泥水をかぶった茨城県常総市の旧家の古文書などをきれいに洗って修復する作業が水戸市で始まりました。
作業が始まったのは、常総市の旧家に保管されていた江戸時代から昭和初期にかけての古文書や書画などの史料で600点余りにのぼると見られています。
これらの史料は、関東・東北豪雨による浸水で泥水をかぶり、汚れによる傷みやかびの発生が懸念されたため、歴史資料の保存修復に取り組むボランティア団体が回収し、東北大学の施設で真空状態で凍結乾燥する特別な処置が施されました。
これら史料をきれいに洗う作業が24日から茨城大学で始まり、学生やボランティア50人余りが古文書の紙を1枚ずつ丁寧にはがして蒸留水に浸したあと、はけで表面を洗い流しました。
先行して修復を終えた史料の中には、江戸時代の天保年間にこの地域で起きた水害の記述もありました。茨城大学人文学部の高橋修教授は「過去の水害の歴史をひもとき、将来の防災や減災に役立てたい」と話していました。
修復作業は1年以上かかるとみられ、古文書を読み解く作業もあわせて進められることになっています。