おはようございます。アズマです。
MA(マーケティングオートメーション)ツールについての記事はたくさんありますが、実際に業務で使っている方の”生の声”って少ないんですよね。
今回はMAベンダーさんから上手くツールを活用していると評判の(株)HDE のインサイドセールス & デジタルマーケティング マネージャー 水谷博明さんに導入するキッカケから導入してどうなったか?などなど根掘り葉掘り聞いてきました。
―御社がMAツールを導入されたキッカケからうかがえますか?
HDEの営業ターゲットは
という狭さ。
しかも、過半数以上の国内シェアをすでに獲得しているという状況で7、8年も新規開拓してきたので、国内での”まったくの新規”というものに限界を感じだしたんだそうです。
そんな時。
営業が1度コンタクトをとったけれど案件化されずに放置されているものがかなりあるんではないだろうか?と仮説が立ったそうなのですが…
そこで”秘伝のタレ”エクセルデータを「見えるデータ」にするためにCRMのSalesforce.comを導入。見えるデータになったことにより仮説が確信に変わったそうです。
そして「見えるデータ」を今度は「使えるデータ」にするためMAツールを導入。というのがMAツール導入のキッカケだったそう。
―たくさんのMAツールが存在しますが、何を基準に選んだんですか?
検討の結果、最終的にはMarketoに決まったんだとか。
決め手は”本気度“と”ユーザー会が盛り上がっている“ということだったと水谷さんはおっしゃっていました。
当時、日本法人を設立したMarketoに日本市場での本気度を感じたそうです。日本法人があることでサポート面で大きく変わってきますから当然ですよね。
他にもユーザー会が盛り上がっているということも最終的な後押しになったんだそうです。実際に使っている人達がリアルに情報交換できるのは大きな強みでもありますよね。
MarketoとSalesforce.comの連携はかなり良くできていて、例えばSalesforce.com側で項目をつくるとMarketo側でも自動で項目が作られる。といったようにシームレスに連携されているそうです。
―導入してみてどうですか?
クリーニングしたデータベースから送られるメールとそうではないメールでは雲泥の差があるそうです。
大量にメールが送りつけられる現代で、一度でもトンチンカンな間違ったメールを送れば、フィルターにかけられ2度と開かれない。だから初動のメールはかなり神経質になるんだとか。
データベースのクリーニングでは
を実施したそうです。
クリーニングによって今まで単なる「テキスト」だったものが「活用できるデータ」になったそう。
―「活用できるデータ」をアナリティクスやリードナーチャリングの他に、どのように使っているのか興味があります
アラートメールとはユーザーがHDEのサイトに来たときに、担当の営業への通知をするメールを指すそう。
最初は「あなたの担当している会社の人がwebサイトにきました」っていう無味乾燥なメールをしていたそうですが、日増しに開かれなくなったんだとか。
そこで「メールを見るように!」と上から指示するのではなく、本質的な部分での改善にチカラを入れ、開いてもらうために工夫したそうです。
この3点をタイトルに入れることで開封率はほぼ100%。アラートメールも20種類ほど出しわけるようになったそう。
なかでも「ロスト企業のアラートメール」というものが9割以上の商談につながり、そこからほぼ受注につながるといったほど効果をあげたそうです。
これは「一度説明までしたが最終的に他社を選んだ企業」が、他社を選んだにも関わらずまたサイトにきた。というお知らせメールで何かしら導入したものに問題がおきている可能性が高いということで、営業からの成約率が高くなるんだとか。
現場で精度の高い情報を入れれば、精度の高いメールが届く。イコール結果にむすびつくということを営業が理解することでHDEでは入力率、開封率ともに100%近いとのことでした。
―MAツールなのでマーケターなどが主にあつかうツールになると思うのですが、うまく使うアドバイスなんてありますか?
売上をあげるのは営業なので営業のためになるように考えないといけない。営業脳のひとがやったほうが成果は上がると思います。
言うならば現場感がわかるマーケター。営業と歩み寄れるマーケター。
マーケティングと営業をつなぐのはたしかにMAツールなのですが「マーケター VS 営業」という構造だと機能しないツールだということでした。
自分だけでは売り上げをあげることができないんだということをまず本質的に理解したうえで、自分の意見を発信しなければいけないということです。
現在、HDEではグローバル化を推進しており、すでに従業員の10%は海外スタッフだそう。
そういったグローバル化の部分でもMarketoは言語切り替えが簡単で対応しやすいとのことでした。
リモートワークなどワークスタイルの変化にもデジタルで対応し、会社としても働きやすい環境としてクラウドサービスを積極的に使っているそうです。
今回、リアルなMAツール導入事例が聞けました。導入をご検討中の方に参考になったんじゃないかと思います。
組織を多角的にとらえ歩み寄る。リスペクトの精神がないとどんな素晴らしいツールも意味をなさない。やはり使う側の問題がまだまだありそうです。いまやるのか、後でやるのか…
目の前の問題をガシガシ解決するHDE、水谷さんに今後も注目です。
水谷さんお忙しいところありがとうございました。