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韓国の「報復スピーカー」なぜヒット?…軍の「対北拡声器」導入では疑惑噴出
朝鮮日報(電子版)では実例として、工芸品製作教室をしている上階の住人に対して報復した下階の人物の話を紹介。教室の生徒らが皮にポンチと金づちで穴を開ける音がうるさいとして、下階の人物は報復スピーカーを使い、大音量の音楽でリベンジを果たした。
しかし、上階の住人は「警察に通報する」と怒り心頭だといい、騒音トラブルの根本的な解決には至っていないようでもある。
ところが軍隊では…
しかし、韓国で報復用スピーカーといえば、北朝鮮に向けて国境沿いに設置されている「対北拡声器」が最も有名だ。北朝鮮が軍事的挑発を行うたびに、韓国の経済発展などの優位性や、韓国語の歌謡曲などを大音量で流し続ける政治宣伝用の施設だが、今月に入って汚職疑惑が発覚した。
8月17日、朝鮮日報(電子版)は、新型拡声器40台を導入するにあたり、「軍が特定の納入業者に有利になるようにスピーカー性能の評価基準を不当に調整した疑惑がある」と指摘した。
この特定業者のスピーカーについて性能試験を実施したところ、聞こえる範囲は約3キロと、軍の要求の10キロを大きく下回っていた。ほぼ無人のDMZ(非武装地帯)だけで2キロの幅があり、3キロでは北朝鮮の民間人には聞こえない。
東亜日報(電子版)などによると、この疑惑ですでに国防部の当該部署と関連会社が家宅捜索を受けたという。また事業費183億ウオン(約16億5000万円)にも水増し疑惑が出ているという。
天井や床板を挟んだ攻防では人気を集めているという「報復スピーカー」。モノは違うが、国境線での「対北拡声器」による攻防では“報復”以前の問題があるようだ。