イタリア中部の地震 死者120人に

イタリア中部の地震 死者120人に
イタリア中部で日本時間24日に起きた地震で、死者はこれまでに120人に上り、街全体が壊滅的な被害を受けたアマトリーチェでは、今も多数の人が生き埋めになっているとして消防などが救助を急いでいます。
日本時間24日午前、イタリア中部で発生したマグニチュード6.2の地震では中部ラツィオ州のアマトリーチェなど4つの自治体が被害を受け、イタリアのレンツィ首相は、これまでに120人が死亡し、360人以上がけがをしたことを明らかにしました。
NHKの取材班は、地震発生から、およそ7時間後にアマトリーチェに入りましたが、ほとんどの建物が倒壊していて、残った建物も一部が崩れ落ちていたり、壁に大きな亀裂が複数、入っていたりして、街全体が壊滅的な被害を受けていました。このため、ほぼすべての市民が近くのサッカー場などに避難したということで、市内に残っている人は救助隊とマスコミがほとんどとなっていました。

イタリア政府は、行方不明者の数については発表していませんが、現地で取材に応じた救助隊の責任者は、「何人が、まだ生き埋めになっているのかわからない。この被害の状況から、まだ多くの人が埋もれているのではないか」と述べました。
このため、現地では救助隊が1人でも多くを探し出し、助け出そうと作業に当たっていますが、埋もれていた人が次々と遺体で見つかっていて、一刻を争う状況となっています。

住民「もう存在しない町に」

アマトリーチェでは、ほとんどの住民が余震などを恐れて家に戻れなくなっています。

70代の女性は地震のとき、家に1人でいたということで、「家の中のすべてのものが落ちてきた。扉も開かなくなり、息子に壊して開けてもらった。家の中がすべて壊れ、街もすべてが壊れてしまった。今も震えが止まらない」と、述べました。

また、道端に座っていた男性は、「避難所に行こうとしたが、がれきが多くて通れず、戻ってきた。余震も続いていて、ガス漏れも起きている。もう何もかもなくなってしまって、廃虚だけしか残っていない。アマトリーチェはもう存在しない街になってしまった」と話していました。

また、住民の中には、マスコミの取材に対し、怒りをあらわにする人もいました。

捜索隊責任者「やりきれない気持ち」

捜索隊の責任者は、「これまでも地震の被災地の捜索は経験しているが、今回は特定の地域に大きな被害が集中している。たくさんの歴史的な建物が壊れ、多くの人が死亡していて、辛く、やりきれない気持ちだ」と、目に涙を浮かべながら話しました。