ここから本文です

<北朝鮮潜水艦ミサイル>政府「新たな脅威」500キロ飛行

毎日新聞 8月24日(水)21時56分配信

 北朝鮮は24日早朝、北朝鮮北東部・咸鏡南道(ハムギョンナムド)新浦(シンポ)付近の日本海から潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)1発を発射した。北東に約500キロ飛行し、日本の防空識別圏内の海上に落下した。SLBM実験の成功といえる飛距離300キロを初めて超えて飛行したうえ、日本の沿岸に近づけないよう意図的に高い角度で発射したとみられている。韓国軍は、正常の角度なら飛行距離は約1000キロに達したと分析。年内に実戦配備される可能性もあるとみている。事前探知が難しいSLBMが実戦配備されれば日米韓にとって大きな脅威となる。

【朝鮮中央通信が4月24日に配信した潜水艦発射弾道ミサイルの写真=ロイター】

 韓国軍によると、北朝鮮のSLBMは300~400キロを超える高高度に達した後、高さ約50キロの空からマッハ10の速度で日本海に落下した。固体燃料が使用され、機体の1段目と2段目の分離にも成功した模様だ。燃料を増やせば2000キロ以上の飛行も可能と韓国軍は判断している。

 日本政府は北朝鮮のSLBMを「新たな脅威」とみて警戒を強めている。安倍晋三首相は24日、首相官邸で記者団に「我が国の安全保障に対する重大な脅威だ」と語った。稲田朋美防衛相も記者団に「(北朝鮮の)軍を優先する政治の中で、日々技術を改良していることは事実だ」と述べ、一定の技術的進展があったとの認識を示した。

 今回のSLBMを通常の角度で発射した場合、1000キロ以上の射程になる可能性が指摘される。防衛省幹部は「日本が射程に入ることになる」と指摘。6月には中距離弾道ミサイル「ムスダン」が高度1000キロに達しており、「北朝鮮のミサイル技術全体が大きく底上げしているようだ」と警戒感を示した。【町田徳丈、ソウル大貫智子】

最終更新:8月25日(木)0時30分

毎日新聞

スポンサード記事

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

最前線でアメリカの戦争を戦う女性たち
2011年、アメリカ軍では女性の戦闘参加は禁止されていましたが、この年、初の女性の特殊部隊がアフガニスタンの前線に派遣されました。地域住民と信頼関係を作り戦争を終結させるための試みでした。記者のゲイル・ゼマク・レモンが、軍務における長年のタプーを打ち破った特別な女性兵士の集団を描き出します。