【コラム】海外の代表チームを率いる韓国人監督に寛大になった韓国社会

 韓国産業界では2000年代初め、半導体や携帯電話分野の人材が中国などに出ていっていると問題になった。最近はリストラが進む造船業界で人材流出が物議を醸している。もし、スポーツ界で起きていることが韓国産業界でも起きればどうなるか。韓国人の半導体メーカー経営者が中国同業社の最高経営責任者(CEO)になり、韓国の造船エンジニアが中国で最先端タンカーを作るようになったら。

 産業はスポーツと違い、特許権や機密保護が重要だ。技術の流出は国益の観点から必ず食い止めねばならない。だがそうだとしても、グローバル時代において国を越えた人材の移動は珍しくなくなりつつある。スマートフォン(スマホ)を担当するサムスン電子の無線事業部の中国担当副社長が先ごろ、ライバル社である中国・華為技術(ファーウェイ)の消費者事業部門副社長に引き抜かれたのが代表的な事例だ。

 五輪は、近づきつつある人材流出時代にどう備えるべきかのヒントを与えてくれる。私たちが「外国チームを率いる韓国人監督」を寛大に受け入れられるようになった大きな理由は、私たちが自らグローバル化に慣れたため、そしてアーチェリーなど韓国人監督の多い競技で韓国が世界トップを守っているためだ。韓国が競争力を高め、トップの座を守ることができれば、人材流出は韓国の基準を世界に伝播する「人材輸出」に変えられるということだ。

李仁烈(イ・インヨル)産業1部次長
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