韓経:【コラム】中国とはシャトルビジネスが必要だ=韓国

韓経:【コラム】中国とはシャトルビジネスが必要だ=韓国

2016年08月19日13時26分
[ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版]
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  最近オリンピック(五輪)のサッカー準々決勝戦で韓国がホンジュラスの遅延作戦に巻き込まれて敗れた。選手たちが激しく主審に抗議したが無駄だった。この状況は、中国ビジネス参加第1世代として現地で活動している重鎮たちの発言を再確認させた。

  中国市場は約10年前はオリンピックゲームと同じだった。中国という単一市場で世界500大企業が角逐していた。一部不公正なケースがあることはあったが、企業競争力そのものが最も重要だった。今はホームアンドアウエーの試合のようなものだった。中国市場で現地企業と競争しなければならない。今や現地企業の態度が激しくなったということを象徴的にあらわしている。

  また中国自らの経済構造転換の面でも、政策当局の政策の重点方向から見て内需市場の重要性がいつになく大きくなっている。これは中国ビジネスには自分のお金を投資して主人意識を持ち、リアルタイムの対応体制で臨まなければならないということを例示してくれる。

  まず「中国スピード」に沿って行くべきだ。一般的に中国を「満満的(のろのろする様子)」だという。これは一側面だけを見たものだ。今、中国全体の発展スピードは年6%台に下がった。だが、いまだに一部地域と業種では10%台以上の発展を続けている。それだけスピード感を持って変化が起きている。リアルタイムで判断し決めなければならないケースがさらに多くなる。中国企業の人々はしばしば韓国企業、特に大企業の現地担当者の裁量権があまりにもないと文句を言う。商談が始まって本社との協議期間が長くなって、ついには韓国企業が排除されるケースが多い理由だ。

  2番目、中国ビジネスでは政府政策の変化を常に注目しなければならない。現地の担当者が主人意識を持って現場を守らなければならない。それでこそ微細な変化の兆しを早目に識別する機会が相対的に増える。韓国は中国と修交してから25年にもなり、中国人と長年接触してきた。それでもまだ多くの大企業の最高経営者(CEO)の中国に対する認識が一般的ではない。問題が生ずれば誰かを通じて解決できるだろうという錯覚をしている場合が多い。「どうにかなるだろう」という態度だ。だが、その時にはもう遅すぎる。自身のビジネスに対して主人意識を持って適正な時期に対応しなければならない。

  前にも話したように中国の内需市場は急成長している。中国は1人あたりの所得(GDP基準)が8000ドル(約80万円)未満だ。現在10兆8000億ドル規模の経済の中で相当部分が政府に帰属している。だが民間部門の消費余力はすごい。民間への分配が60%程度行われると仮定しよう。上位20%にあたる2億8000万人の1人あたりの所得は1万8000ドル水準だ。上位4%にあたる6000万人の1人あたりの所得は8万ドルを超えると推定されている。年間1億2000万回の海外旅行をし、世界有数の商標の最も大きな顧客が中国人である理由が分かる。習近平政権になってから反腐敗運動で高級飲食店はまばらになった。

  一方で中産層対象の飲食店は列をつくらなければ席が取れないほどだ。内需市場の開拓のためには少なくとも10年以上の赤字に耐えられる投資余力と長い視点での人間関係を結ばなければならない。信頼を積み重ねてこそ良い協業者に会い、流通網を確保して販路を切り開くことができる。それでこそ直接売る場合も立地の良い商店街を確保できる。

  中国市場を本当に考えている韓国企業家ならば、リアルタイムで現地の中国人と息を合わせていかなければならない。週末は、中国企業家と中国で会っても、韓国に招いてゴルフをしたり旅行に行ったりしながらビジネス活動を行わなければならない。それだけ中国ビジネスは主人意識を持ってシャトルビジネスに力を注がなければならない。

  チョン・ヨンロク ソウル大学国際大学院経済学教授
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