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米納入MRJ、重量オーバー 解約回避へ軽量化着手

産経新聞 8月24日(水)7時55分配信

 三菱航空機(愛知県豊山町)が米国の航空会社に納入する小型ジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」(88席クラス)の重量を削減することが23日、分かった。MRJは、米航空会社とパイロットの労使協定による機体の重量制限を超えており、このままでは営業運航ができない恐れがあった。解約を回避するため、搭載燃料や座席数の削減、機体の一部を改善して対応する。

 米国では地域の航空路線を対象にした重量制限協定がある。航空大手のパイロットの雇用を守るため、重量制限を設け、地域路線への委託増加や機体の大型化を防いでいる。

 これまで受注した447機のうち、300機が協定に該当している。具体的には米スカイウエスト(SW)の200機、米トランス・ステーツ・ホールディングス(TSH)の100機で、両社とも米航空大手から地域路線を受託しており、この協定が適用される。

 協定の最大離陸重量は乗客を含め39トン。MRJは39・6トンあり、600キロ超過していた。ライバルのブラジルのエンブラエルの同クラスの機種も重量を超過しており、制限緩和を期待していたが、納期が近づいてきたため重量の削減を決めた。

 関係者によれば、2社と搭載燃料や座席数の削減、貨物制限による対応などで重量を削減する方向だ。

 ただ、それでも重量削減のめどが立たない場合は部品を軽量化するなど、設計を一部変更する必要がある。その場合は安全性を認証する「型式証明」を追加取得しなければならず、納期が遅れる可能性もある。

 MRJは約半世紀ぶりの国産旅客機だが、すでに4度も納期を延期している。平成30年半ばにANAホールディングスに初号機を引き渡す予定。同年中にSWとTSHにも引き渡す計画だが、両社との契約は半数がキャンセル可能になっており、納期が遅れればキャンセルされてしまうリスクが高まる。

最終更新:8月24日(水)12時21分

産経新聞

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