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【リオ五輪】
リオで潰えたキム・ヨナの夢 IOC選手委員に意欲も 立ちふさがるのは巨大財閥サムスンの壁?
しかし、選手委員に関してはもう一つ、1カ国から1人という制限が設けられている。選手委員の任期は8年。つまり、平昌五輪の際は、今回当選した柳氏が在任中で、キム・ヨナ氏は立候補できないことになる。
たとえキム・ヨナ氏が平昌五輪に出場しても、22年北京冬季五輪の際は、まだ柳氏の任期が残っている。31歳で迎える北京冬季五輪のリンクに、キム・ヨナ氏が立つとは考えにくい。
柳氏はリオ五輪で任期が切れるアテネ五輪テコンドー男子金メダリストの文大成氏を引き継ぐ形で、選手委員に就任する。もう一人の韓国人IOC委員、李健煕サムスン電子会長は74歳と高齢なうえ、現在入院中で、IOC委員としての活動ができないという。韓国の中央日報によると、韓国スポーツ界では「空白を早期に埋めたのは幸い」との意見があるという。
しかし、韓国国民の本音はどうなのか? 15年2月には、韓国SBSテレビが「ぜひキム・ヨナ氏にIOC委員になってほしい」と、平昌五輪での立候補を切望。中国のスピードスケート・ショートトラック金メダリスト、楊揚氏のように、IOC委員を長年勤めることを望んでいた。
キム・ヨナ氏は、これまで官僚や財界人が要職を占めてきた韓国スポーツ界に、風穴を開ける存在として期待されていた。李氏が会長を務めるサムスン電子はIOCの大切なスポンサー。柳氏の所属はグループ企業のサムスン生命。ただの偶然なのだろうか…。(五輪速報班)