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第21話 第5の試練
僕らは今《終焉の迷宮》40階層にいる。
《終焉の迷宮》の迷宮入口から入り7階層のいつもの袋小路から40階層に転移した。
今日の目標は第5試練の攻略。
僕はまだ転移の事を冒険者組合に説明してはいない。従って今日中に第5の試練を攻略すれば7階層から40階層に転移したことを疑われることにはなるだろう。
だが僕は話していないだけで嘘はついていない。冒険者組合が聞いてこなかっただけだ。仮に疑われたら、40階層で獲得した宝物の指輪の機能に迷宮内で訪れた場所を自由に転移する機能もあることに気づいたとでも伝えておこう。
だが一応、最大限ばれない努力はするつもりだ。
そこで僕は今日いくつかの行動指針を設定した。
1つ目の条件――迷宮内の敵はできるかぎり多く倒し紅石を獲得すること。
2つ目の条件――迷宮内を隅々探索しマッピングする。
1つ目の条件について。
僕らの目標は帝国に占領されているステラとアリスの故郷の奪還。即ち敵は帝国。
できる限り魔物を倒して僕らの強さを引き上げたい。この強さとはお金と力。この迷宮はその2つのいずれも手に入れることができる。
2つ目の条件は迷宮内の隅々までの探索。
第4の試練の宝物は僕ら魔術師にとって金をいくら積まれても渡せないものだった。他の魔術の【奥義書】が試練の宝物以外に設置されているとは思わないが、もしかしたら魔道書くらいなら置いてあるかもしれない。あれは魔術師のためだけの奇跡。僕らには手に入れる権利と義務がある。
これらの行動指針を実行に移すだけでかなりの時間がかかる。少なくとも速攻の試練攻略よりは不自然性は薄れるはずだ。
《思金神》は僕の命を忠実に守り、アリス用の3つの至高にランクされる剣術を編み出してセットしていた。
《眷属軍化》の4つの魔術・スキルのセットはステラ達の希望と僕の判断を考慮し次の通りになった。
〇ステラ・ランバート
・《鉄壁の鎧》
・《錬金術》
・《魔道工学術》
・《呪術》
〇アリス・ランバート
・《鉄壁の鎧》
・《炎風流剣術》
・《二刀次元流剣術》
・《糸流剣術》
アリスの剣術は解析を済ませている。
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【炎風流剣術】
★説明:炎と風を操る剣術の初級。視認した対象に距離を無視して切るつける事が可能。
★LV1:(0/100)
★ランク:至高
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爆炎剣術の風バージョンだ。
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【二刀次元流剣術】
★説明:次元を操る二刀流剣術の初級。視認した対象に1回攻撃すると、攻撃は次元を歪め1~10回の範囲で選択的に分裂し敵を攻撃する。
★LV1:(0/100)
★ランク:至高
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一度切りつけると次元が歪み、最大10回切りつけることが可能となる。例えば、ラッシュを10回すれば、100回ラッシュしたのと同じ効果が得られる。これだけでも恐ろしい剣術だ。
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【糸流剣術】
★説明:視認した一定の範囲に糸を出現させ自在に分裂・伸長・操作する剣術の初級。糸の硬さを自由に変更可能。糸に漠然的な内容を指示し、自動的操作することも可能。
★LV1:(0/100)
★ランク:至高
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爆裂糸の剣術バージョン。糸と剣がマッチするイメージが湧かない。実際に見てみないことには仕方ない。でもオート操作機能があるようだし、使えるのは確かだろう。
こうして、僕らの第5の試練への挑戦が始まる……。
第41階層は外見上何の変哲もない茶色の石造りのダンジョン。秩序だった平坦な壁、床、天井から作られる階層。
だが、一歩足を踏み込めばこの階層の悪質さに気づかされる。鼻を刺激する卵の腐った匂い。僕らは曲がりそうになる鼻を押さえながらこの階層の解析を開始する。
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【毒霧】
★説明:1分あたりレベル14の者のHPを20だけ減少する。ただし以下の条件に従う。
・レベル13以下:レベルが1下がるごとに1分あたりのHP消費が1.2倍。
・レベル15~30:レベルが1上がるごとに1分あたりのHP消費が0.8倍
・レベル30以上:HPの消費なし。
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レベル14以下の者なら一時間と持たずに死亡する毒が支配する凶悪極まりないダンジョン。
もっともレベル30以上の者は毒の特殊効果は受けないところ、僕らは全員がレベル30以上。僕らにとっては臭い以外1~10階層とさして変わらない。
少し歩くと、巨大な紫色の蛙に出くわした。解析するとLVは14。魔術・スキルはなし。
口から舌を高速で僕らに飛ばしてくる。避けると舌は背後の石壁に当たりジュッと石が焦げる音がする。解析の表示とは異なりこの蛙、毒系の攻撃を持つようだ。
これは解析が狂ったわけではないと思われる。ただそれがスキルと言えるまで昇華していない。それだけ。
アリスが一振りするとバラバラの肉片となる。【二刀次元流剣術】の一振りで複数回の攻撃の能力を使用したのだろう。
次がLV15の紫の大蛇とLV16の紫の大熊がいた。ルインで爆砕し肉片を解析してみるがいずれも食材にはならない。毒のせいかもしれない。
出現モンスターを把握したところで、手分けしてマッピングと魔物の討伐をすることにした。
僕らは《眷属軍化》の《情報伝達》の能力のおかげで迷宮内でも互いに電話のようなやり取りすることができるし、《主人・眷属召喚》でピンチになったときや問題が発生したとき他の者を呼び寄せることができる。
つまり、LV16がせいぜいの階層を集団で捜索する意味など端からないのだ。
それにしてもマッピングは今手製で行っているが効率が著しく悪い。今晩でも自動的にマッピングする機能を有する魔術道具でも造ることにしよう。
それから途切れることなく四方八方に続く迷宮を僕らは疾走していく。
LVが30に到達しステータスが大幅に増加した結果、疾風のごとき速さでの移動が可能となっていた。
床石を蹴るとヒュ~と耳元で風切音が鳴り、周囲の景色が高速で後ろに流れていく。敵を見つけると接近し【ルイン】で一刀のもと斬り伏せる。紅石を採取しマッピングしてから再び疾走。これを繰り返す。
現在47階層。広大な迷宮を一つの袋小路も逃さず探索しマッピングする。
かなりの数の武具や魔術道具、おまけにF~Eランクの紅石を多数発見したが、魔道書系は一つも発見されなかった。
魔道書はないと判断した丁度そのとき、隠し扉を見つけたとステラからの連絡がある。
ステラの下へ《主人・眷属召喚》の能力で呼んでもらう。ステラの前方に宝物箱が置いてあった。
宝物箱の蓋を開けると一冊の本が入っている。
(ビンゴ! マジでついてる、僕!)
バクバク自己主張する心臓を抑えつつ解析を開始する。
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【レベル4黒魔術魔道書】
★説明: レベル4の黒魔術のすべてが記載されている魔道書。
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壮絶に頬が緩んでいるステラに【レベル4黒魔術魔道書】を渡す。図書館にある魔道書はレベル4まで。
これで当面図書館に行く必要はなくなった。でもステラ達を魔術師として登録する必要性と図書館の利用の必要性は消えていない。
やはりネックは日本の在留資格の獲得。これが為し得なければステラ達の魔術師としての登録など夢のまた夢。
《思金神》からの報告もない。その方法の情報収集はかなり難航していると思われる。
「ステラ先読んでよ。僕は君の後で目を通す」
僕は黒魔術をメインに戦闘をしようとは思わない。
今黒魔術を学んでいるのは基礎魔術師の方が目立たずフェイクに使えそうだから。それだけ。
僕が他者に胸を張れる固有の魔術は創造魔術。これを極めない限り僕は倖月家という怪物達と決して渡り合えない。
これに対し《眷属軍化》の力を借りずとも黒魔術という固有の才能を持つに至ったステラは黒魔術を極めることが急務だ。
だからこれはステラが先に読むべき。
「マ、マスター、いいんですか? ステラが先で?」
「うん。LV3までの兄さんの呪術関連の魔道書がしこたまあるから僕は当分それを読むよ。手分けして僕らの全体の力を上げることが必要だ。だからそれは君が先に読むべき。
でもLV4の魔術はステラが僕らに教えてね」
「ありがとう! マスター、大好きです!!」
ステラは誕生日プレゼントを開ける子供のように目を輝かせながら僕を強く抱きしめる。
女性特有の柔らかな優しい感触と何とも言えない良い匂いが嗅覚を刺激する。心臓がはねあがり、耳の付け根まで真っ赤になる僕。
1年前魔術師になると決めたあの日から女性に対する劣情も、その特別な感情さえも全て捨て去ったはずなのに何とも情けない話である。
僕の鼓動が伝わってしまわないだろうかと若干頓珍漢な事を考えていると、アリスがジト目で僕らに呆れた声色を発する。
「お姉ちゃん、マスター、ここ迷宮だよ」
現状認識したステラの顔が急速に熟れすぎたトマトみたいな色になり、バッと弾かれたように僕から飛びぬく。
アリスが肩を竦めて歩き出し、ステラも俯きつつもその後に続く。
この姉妹の立場が逆転した彼女達の様子が少し新鮮で少し可笑しかった。
◆
◆
◆
2082年8月5日(水曜日) 午後22時01分。
僕らの前方には50階層の試練間へ続く階段が見える。
すでに午後の21時を超えていることもあり一旦屋敷へ戻り夕食を取りながら50階層のボス戦への作戦を練っていた。
もっとも、作戦というほど大それたものではない――。
――ボス戦の方針。
〇1:試練の間で得られる宝物の重要性から特殊条件はできる限り満たす。
〇2:ただしボスモンスターが僕らよりもLVが高ければ特殊条件は無視して僕らの最大の一斉攻撃で沈める。
これだけのシンプルな作戦。
ただし解析で反射系のスキルや魔術の有無は確認し、仮にあれば僕に全て任せるように指示している。攻撃したはいいが全滅など洒落にもならないからだ。
仮にボスモンスターが反射系のスキルや魔術を所持する場合、《思金神》に弱点とその解決するべきスキルを開発するように命じることにしている。
「いくよ」
二人に視線を向けるとステラが頷き、アリスが親指を突き立てる。
階段を下っていく。
階段の途中から可視化できるほど濃い黄色の煙が風に乗って吹き抜けてくる。
(今までの毒霧とは違う!)
解析をかける。
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【猛毒霧】
★説明:1分あたりレベル20の者のHPを30だけ減少する。ただし以下の条件に従う。
・レベル20以下:レベルが1下がるごとに1分あたりのHP消費が1.2倍。
・レベル21~35:レベルが1上がるごとに1分あたりのHP消費が0.8倍
・レベル36以上:HPの消費なし。
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(今の僕のレベルが48、ステラ、アリスが47。
楽勝で無傷だ。もう22時すぎ。これ以上遅くなるとアリスの教育上よくない。
さっさと、片付けよう)
再び歩を進める。たどり着いた先は40階層と同様10メートルほどの高さの大広間。
40階層とは一転して女性の透き通るような声が第五の試練の説明を始める。
《挑戦者の冒険者カードの認識開始…………終了
ギルド名:スピリットフォーレスト。
キョウヤ・クスノキ、ステラ・ランバート、アリス・ランバート。
『第五の試練:【地獄女王蜂】を倒せ!』
・クリア条件:【地獄女王蜂】の討伐。
・特殊条件:討伐時間が短いほど得る宝物の価値が高くなる》
ブ~~ン
耳障りな羽音に10メートル超える体躯。キシャッ、キシャッと口が怪音を上げ唾液を垂れ流しがらもモゴモゴと動いている。
風〇谷のナ〇シカに出演する巨大昆虫かくやの巨大な蜂が空中に浮かびながら複眼で僕らを観察していた。
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ステータス
【地獄女王蜂】
★レベル:28
★能力値:HP1540/1540 MP140/140 筋460 耐久力280 俊敏性460 器用280 魔力100 魔力耐性100
★スキル:《女王国造成》
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(よし! ステア、アリス、反射系のスキルもない雑魚昆虫だよ。
試練が始まり次第、即座に僕らが持つ最大の火力でぶっ潰す!!)
《眷属軍化》で二人に指示を出す僕。
ステラは頷くが、アリスは……目をギラつかせて僕の言葉などそもそも耳に入っていない。フライングだけはするなと口を酸っぱく念押ししている。その点は心配いるまい。
女性のアナウンスが始まる。このアナウンスの終了が開始の合図だ。
《試練に挑みし勇者よ。
これは人と魔の生と死をかけた潰しあい。
これは魂同士のぶつかり合い。
これは互いの誇りをかけたデスゲーム
与えられるのは偉業か、死。
武をつくせ、叡智を尽くせ。
されば与えられん!》
アナウンスが終了する。
女性のアナウンスが消え、僕の【終焉剣武】によるの大剣の神速投下とアリスの【二刀次元流剣術】による二刀流分裂攻撃によるラッシュがほぼ同時に巨大蜂を襲う。
僕の【終焉剣武】による8メートルほどもある大剣が上空から神速で滑空し、深々と【地獄女王蜂】の脳天に突き刺さり串刺しにする。
【二刀次元流剣術】を発動したアリスの二刀の剣が滑るように高速でいくつもの軌跡を描く。すると【地獄女王蜂】の身体に冗談のような数の線が刻まれる。
断末魔の声さえ上げることが許されず緑色の血液を噴出しバラバラの肉片となる【地獄女王蜂】。
ステラは途中で魔術の発動を止めたらしく、唖然としてバラバラになり地面に落ちる【地獄女王蜂】を眺めていた。
《第五の試練クリア。挑戦者側の勝利。
討伐経過時間0.01秒。評価Ω
第五試練Ωランク宝物解放》
(Ω? また訳の分からない概念が……。
この迷宮作った人。絶対懲りすぎだっての!
もっとシンプルに作成してほしい)
部屋の中央には4つの宝箱が出現していた。
4つの宝箱がある意味もあらかた想像はつく。このゲームにおいてSランク評価以上は特別。真のポーナスなのだろう。
つまりSランク以上の評価をとればS、SS、SSS、Ωについてそれぞれ商品が与えられる仕組みになっていると思われる。
急く気持ちを抑えつつ、宝箱の蓋を持ち上げる。
1つ目は予想通り本だった。手に持ち上げて解析する。
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【白魔術奥義書】
★説明:白魔術の奥義書。白魔術の才能を得る。ただし一度使うと消滅する。
奥義書に触れ《発動》と念じることで才能を得る。
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(白魔術の本。これは評価Sでもらえるはずだったもの。この魔術はアリス向きだ。
今日はアリスのための日だね)
2つ目の宝箱の中身はSランクの紅石25個。
3つ目も同じくSSランクの紅石25個。
これは助かった。LV18程度では紅石はJ。Bランク以上が一向にたまりそうもなくてほとほと困っていたのだ。
4つ目の宝箱。中には一冊の本。
その本全体から黒赤色のオーラが陽炎のように揺らめいている。【白魔術奥義書】とは格が違いそうだ。多分これがΩをクリアしたことによる宝物。
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【黒魔術大奥義書】
★説明:黒魔術の大奥義書。黒魔術の《連続黒魔術》、《LV6黒魔術の叡智》、《LV7黒魔術の叡智》、《黒魔術神速発動》の能力を得る。
ただし、一度使うと消滅する。
ただし、黒魔術の才能を持つ者にのみ効果がある。
大奥義書に触れ《発動》と念じることで既存の黒魔術の才能は進化する。
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(やりすぎ、キタコレ!!
…………ヤバイ、ヤバイ、興奮で我を忘れてしまった。
でもLV6以上は魔術審議会の分類では禁術。
禁術とは単に威力が高いだけじゃない。威力が高いだけで使用を禁じるほど魔術審議会の爺様方は平和主義者じゃない。世界の法則にさえ影響を与える。だからこその禁術さ。
そんな魔術、地球は勿論この世界でもおいそれと使用を認めるわけにはいかない。この魔術は実戦では封印だ。
それでも《連続黒魔術》と《黒魔術神速発動》の能力が手に入る。
特にスキルと比較し魔術は発動までに時間がかかっていたんだ。《黒魔術神速発動》を得たことは限りなく大きな意味がある)
「マスター……」
ステラは紫がかった小さな唇を震わせながら僕の袖をギュッと掴む。
黒魔術の才能を得、その限界を知った彼女には僕同様この魔道書のヤバさを認識できているはずだ。
「【黒魔術大奥義書】はステラ。【白魔術奥義書】はアリスね。
じゃあ、先に戻ってこの魔道書を《発動》としておいて。
僕はここで少しやることがあるから」
「はい……」「わぁ~い」
消え入りそうな声で魔道書を受け取るステラと、顔中に喜色を浮かべ受け取るアリス。
アリスなど魔道書にキスを連発している。子供だ……。
一方ステラは心ここにあらず。魔術審議会の分類についてはすでにステラに教えている。禁術が世界の法則を狂わせるほどの力を有することも。
彼女の動揺は将来自身がこの魔術を使うことへの不安の裏返しなのかもしれない。
ステラ達が去った後、紅石をアイテムボックスに収納し、僕とアリスが散らかした【地獄女王蜂】の血液を掬って一舐めする。身体の芯が僅かに熱くなり、ラーニングは完了する。
相変わらず、虫系の魔物のラーニングは気持ちが悪い。
これで今日の僕らの冒険は終了。
僕も屋敷のリビングへ転移する。
2082年8月5日(水曜日)――迷宮探索の成果。
《終焉の迷宮》到達階数――第50階層。
第五の試練クリア
討伐魔物
○毒人食蛙(LV14)――62匹
○猛毒大蛇(LV15)――58匹
○毒熊戦士(LV16)―81匹
○巨大毒鷲(LV17)――86匹
○毒大狼(LV18)――90匹
○地獄女王蜂(LV28)――1匹
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ステータス
【楠恭弥】
★レベル:48
★能力値:HP5400/5400 MP6200/6200 筋力1922 耐久力1908 俊敏性1912 器用1906 魔力1933 魔力耐性1925
★スキル:《進化LV6(――)》、《眷属軍化LV6(――)》、《終焉剣武LV3(80768/500000)》、《鉄壁の鎧LV6(――)》、《次元精霊召喚LV6(――)》、《思金神LV6(――)》、《《墨幕LV6《――》
★魔術:《創造魔術》、《錬金工術》、《呪術》、《魔道工学術》、《錬金術》、《黒魔術》
★EXP:34512/40000
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ステータス
【ステラ・ランバート】
★レベル:47
★能力値:HP3400/3400 MP7400/7400 筋力1002 耐久力1001 俊敏性1408 器用1304 魔力3408 魔力耐性2590
★スキル:《加護LV6(――)》、《進化LV6(――)》、《鉄壁の鎧LV6(――)》
★魔術:《精霊召喚術》、《魔道工学術》、《錬金術》、《黒魔術》、《呪術》
★EXP:26212/38000
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ステータス
【アリス・ランバート】
★レベル:47
★能力値:HP7800/7800 MP3000/3000 筋力2406 耐久力2401 俊敏性1807 器用1811 魔力1205 魔力耐性1201
★スキル:《接続LV6(――)》、《剣術LV6(――)》、《進化LV6(――)》、《空破斬LV6(――)》、《爆炎糸LV6(――)》、《二刀流LV6(――)》、《鉄壁の鎧LV6(――)》、《炎風流剣術LV6(――)》、《二刀次元流剣術LV6(――)》、《糸流剣術LV6(――)》
★EXP:26212/38000
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