2016年8月18日、韓国・ニューシスによると、酔って公園に横たわるホームレスを公園から追い出そうとした警察の行為は正当な公務執行と認められないとの判決が韓国で出された。
ソウル北部地裁は、公務執行妨害および傷害の罪で起訴されたホームレスの男(47)の控訴審で、男の傷害の罪のみを認め、懲役4カ月、執行猶予1年を言い渡した。裁判所は「被告が公園で飲酒したり騒いだりした事実はない」とし、「酒を飲んだ状態で開封されていないマッコリの瓶を持ちベンチに横たわっていたという事実だけでは、飲酒騒乱行為が予見され予防すべき状況だったとみるのは困難」と指摘した。
また裁判所は「ホームレスの男にも国民の1人として公園を利用する権利がある」とし、「公園の外に出るよう要求した警察官の行為は正当な公務執行とは言えない」と説明、男の公務執行妨害罪を認めなかった。
男は昨年5月、ソウル市内の公園のベンチに寝ていたところをパトロール中の警察官に注意され、抗議の意味で警察官の体を押し返すなどした容疑で起訴された。また昨年8月には同市内の駅近くで40代の男性と酒を飲むうち口論となり、酒瓶を投げ付けてけがをさせた疑いも持たれていた。
判決について、韓国のネットユーザーは次のようなコメントを寄せている。
「ホームレスだけの問題じゃない。どこの公園も毎晩のように酒を飲み騒ぐやつがいる。公園は居酒屋じゃないぞ」
「なぜホームレスの数が増えているのかを考えるべきだと思う。社会がだんだん疲弊してきている」
「公園を禁酒にすべきだ。酒のせいでストレスだ」
「ホームレスより、夜の公園で酒を飲む10代や20代の方が怖い」
「酔っ払いのホームレスよりも、飲酒運転する人間を捕まえてくれ」
「この世の中、ホームレスになりたくてなった人なんていない。懸命に働いても、うまくいかずにホームレスになる可能性は誰にでもある」
「正しい判断だ。ホームレスもこの国の国民に違いない。騒がないなら公園を利用する権利はある」
「ホームレスだって人だよ。ただ運が悪くてそうなっただけ」
「そのうち公務員以外はみんなホームレスになる。他人事だと思わない方がいい」
「小さな罪ほど量刑が重くなるのが後進国。韓国がまさにそれだよ」(翻訳・編集/吉金)