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ビッグデータで迅速審査、リクルートが中小向け金融

2016/8/24 17:36
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 リクルートホールディングスは24日、中小企業向けの金融事業に参入すると発表した。広告や人材派遣など幅広く手がける事業で蓄積したビッグデータを活用。融資の申し込みや審査がオンラインで完結する仕組みを築き、成長余地がある中小企業に素早く融資する。事業開始は2017年夏ごろの予定。3年間は本格稼働までの検証期間とし、金融事業の成長の可能性を模索する。

 金融事業の全額出資会社であるリクルートファイナンスパートナーズ(東京・中央)を設立し、貸金業登録を申請した。資本金は2500万円。リクルート本体にも10月1日付で専門組織をつくる。

 リクルートは国内中小企業向けに広告仲介など業務支援サービスを提供している。中小企業との取引を通じて、中小企業には簡易な審査や手続きで資金を迅速に借りられるサービスの潜在需要が十分にあると判断した。

 リクルートは今年に入ってからスルガ銀行の金融サービスを仲介したり、メガバンクなど複数の金融機関に対して住宅ローンの事前審査を一括で依頼したりできるネットサービスを打ち出し、金融関連事業の手応えを確かめてきた。今回は自ら貸金業として登録し、金融事業に一段と踏み込む。

 3年間の検証期間中は既存の金融機関やフィンテック(金融とITの融合)企業との提携も検討する。今月8日には、商品の受発注や伝票処理などを電子化するサービスを手がけるインフォマートと協業検討の開始で合意した。具体的な協業分野などは未定だという。

 中小企業の中には事業が急ピッチで成長しているのにもかかわらず、財務面での評価が追いつかず、十分な与信を得られない会社もある。自前のビッグデータを使ってこうした企業に貸し出す取り組みは広がりつつある。楽天は電子商取引(EC)サイト「楽天市場」に出店する企業を対象に、最短で翌日に融資するサービスを15年に始めた。有望企業の掘り起こしにつながることも期待できる。

(湯田昌之)

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