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「嫡出否認」なぜ夫だけ 女性4人が違憲と提訴

神戸新聞NEXT 8月24日(水)18時14分配信

 親子関係を法的に否定する「嫡出否認」の訴えを夫だけに認める民法の規定は男女不平等で違憲として、兵庫県内に住む60代の女性ら4人が24日、国に対して1人当たり55万円の損害賠償を求める訴訟を神戸地裁に起こした。代理人弁護士によると、規定の違憲性を正面から問う訴訟は全国で初めてという。

 原告4人は女性のほかに30代の娘と孫2人。訴状などによると、女性は約30年前、当時の夫の暴力で別居し、離婚成立前に別の男性との間に娘を出産。民法の規定で、娘は当時の夫の子どもとされるため、出生届を提出しなかった。その結果、娘のほかに孫2人も無戸籍となった。

 女性は、娘と孫が無戸籍となったのは民法の規定が原因と主張。妻や子どもにも嫡出否認の権利を認めるように民法を改正しておけば、無戸籍は避けられたとしている。

 娘の無戸籍は女性の元夫が2012年に死亡したことにより、実父の認知調停などを経て今年1月に解消した。孫2人も2月に戸籍を得た。

 女性は提訴を受けて「夫にしか否認権がない嫡出否認制度によって、多くの人が長年苦しんできた。私たちが訴えることにより、苦しんでいる人が少しでも救済されるきっかけになれば」とコメントした。

最終更新:8月24日(水)18時26分

神戸新聞NEXT

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