トップ > 中日スポーツ > プロ野球 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【プロ野球】

巨人・脇谷がサヨナラ弾「奇跡!奇跡!」 広島のM点灯阻止

2016年8月24日 紙面から

巨人−広島 10回裏無死、脇谷が右越えにサヨナラ1号ソロを放ち、ナインが待つホームに向かう=東京ドームで(北田美和子撮影)

写真

◇巨人1−0広島

 巨人がサヨナラ勝ち。0−0の延長10回、途中出場の脇谷が代わったジャクソンから右越えに1号ソロを放って試合を決めた。広島は8安打で無得点とあと一本が出ず、力投のジョンソンを援護できなかった。連勝は6でストップ。

     ◇

 突然の歓喜だった。両軍無得点で迎えた10回。巨人が伏兵の1発で決めた。脇谷の打球が右翼席に突き刺さる。「最高に気持ち良い! ビックリしました」。今季1号がプロ初のサヨナラ弾。首位広島との直接対決に先勝し、マジック点灯を食い止めた。

 ウオーターシャワーを浴びてビショビショの体を拭きながら、ラッキーボーイが絶叫した。「奇跡! 奇跡!」。自分でも信じられない。途中出場で、この日の初打席。カウント2−2からのファーストスイングがジャクソンの152キロを捕らえ、息詰まる投手戦に一瞬でケリをつけた。

 14年にFA加入した片岡の人的補償で西武に移籍。昨年オフ、師と慕う高橋監督の現役引退と指揮官就任とともに自らのFA権を行使して古巣に戻ってきた。しかし、期待を裏切る日々。「監督の顔を正面から見ることができない…」。打率は1割台に低迷し、自責の念にも駆られた。

 それでも、持ち味は失わなかった。周囲の期待を裏切る−。良くも悪くも“読めない男”だ。痛快な1勝。指揮官にも喜色がにじむ。「本塁打を期待? ないんじゃないですか。いろんなことをやってくれますね」

 重苦しい展開だった。マジック阻止の条件は同一カード3連勝のみ。マイコラス、マシソン、沢村が無失点リレーでしのいだが劣勢だった。最後に、勝利の女神がほほ笑む脇谷のサヨナラ弾。高橋監督が、ホッと息を吐いた。

 「(投手陣が)何とか抑えてくれたことがすべて。苦しいゲーム展開かったけど、何とか勝つことができた」。ただ、まだ7差。背水の陣の状況は変わらない。「ウチは勝っていくしかない」。一時の喜びを味わった指揮官は、すぐさま再び勝負師の顔に戻った。 (井上学)

 

この記事を印刷する

PR情報

閉じる
中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ