中国 習主席がスー・チー氏と会談 影響力強める狙いか

中国 習主席がスー・チー氏と会談 影響力強める狙いか
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中国の習近平国家主席は19日、ミャンマーに新政権が発足して以来初めて、アウン・サン・スー・チー国家顧問と北京で会談して、ミャンマーが目指す少数民族との和平の実現に協力する考えを示し、両国関係の改善を通じて東南アジアでの影響力を強める狙いがあると見られます。
ミャンマーのアウン・サン・スー・チー氏は、ことし3月に発足した新政権の国家顧問兼外相に就任して以来、ASEAN=東南アジア諸国連合の域外で最初の訪問国として中国を訪れていて、中国側は国家元首と同等の待遇で迎えています。
国営の中国中央テレビによりますと、19日夕方、北京で行われた会談で、習近平国家主席は「ミャンマーが安定を維持し、経済発展を促進することを支持していく」としたうえで、「ミャンマーの和平プロセスの推進において、中国は建設的な役割を果たしていきたい」と述べ、スー・チー氏が優先課題に掲げる少数民族の武装勢力との和平の実現に協力する考えを示しました。
これに対し、スー・チー氏は武装勢力が活動する中国との国境地帯の安定のために、共に努力していきたいと応じたということです。
習主席としては、民政移管後、ぎくしゃくしているミャンマーとの関係改善を通じて、南シナ海の問題を抱える東南アジアでの影響力を強めるとともに、アジアとヨーロッパをつなぐ経済圏構想の「一帯一路」を推進する狙いがあると見られます。