なぜ相次いだ 3つの台風発生の要因は

なぜ相次いだ 3つの台風発生の要因は
今月19日から20日にかけて日本の南の海上で3つの台風が相次いで発生したことについて、専門家は太平洋高気圧が張り出す位置が平年より北東にずれたことなどが要因になったと指摘しています。
今月19日から20日にかけては台風9号、10号、それに11号が日本の南の海上で次々と発生しました。
このうち台風10号と11号は、北緯30度付近の日本に近い海域で発生していて、台風のメカニズムに詳しい名古屋大学の坪木和久教授は、こうした海域は海水温があまり高くなく台風が相次いで発生するのは極めてまれだと指摘します。そのうえで、坪木教授は「ふだんは日本付近を広く覆っている太平洋高気圧が、ことしは北東にずれて日本の東に張り出しているため北緯30度付近の日本に近い海域では水蒸気の対流が活発になって雨雲が発生しやすくなったことが3つの台風が発生した要因と考えられる」と話しています。
一方、現在、西日本の南の海上にある台風10号については、沖縄県南大東島の周辺の海域の海水温が平年よりも2度ほど高く、今後さらに発達するおそれがあるとしています。
坪木教授は「台風の動きが遅く、海水が温かい場所で今後さらに勢力を強める予想となっている。今後、台風が接近する地域では暴風や高潮、大雨などの可能性があり、今後の台風の進路や気象情報に注意してほしい」と話しています。