日産自動車は24日、主力ミニバン「セレナ」を6年ぶりに全面改良し、国内で発売した。高速道路の単一車線で自動走行できる機能を国内メーカーで初めて搭載した。渋滞時などに運転者の負担を軽減できる。日産は普及価格帯のファミリーカーに最先端技術をつぎ込むことで、低迷する国内販売をテコ入れする。
セレナに搭載した自動運転技術「プロパイロット」はフロントガラスの内側に取り付けたカメラで前方車両との距離や車線内の車両の位置を計測する。カメラの情報をもとに電子制御装置が運転手に代わって車両を操作し、前方車両に追随したり、車線に沿ってカーブを曲がったりできる。プロパイロットを標準装備した限定モデルの価格は291万6千円から。
高速道路の単一車線で一定の条件を満たした場合に限られるものの、国内メーカーで初めてアクセルとブレーキ、ハンドル操作の全てを自動にした。海外では米テスラモーターズや独ダイムラーなどが一部の高級車で同様の機能を実用化している。
日産の新技術は4段階ある自動運転技術の分類のうち下から2番目の「レベル2」に相当する。運転の責任は運転者側にあり、運転手が介在しない完全自動運転とは異なるが、日産では運転者の不注意や操作ミスによるトラブルを大幅に減らせると期待する。