シャープ社長だった高橋興三氏が、台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業グループによる出資が完了した12日付で退任した。経営危機が深刻化していた平成25年に“社内クーデター”を経て社長に就任したが、再建を果たすことなく鴻海への身売りという結果を招いた。「上司に『NO』と言わなかったから社長になった」と語っていた典型的な日本のサラリーマン経営者は、どこで道を誤ったのだろうか。
「鴻海グループからの出資が完了し、経営再建に向けた大きな一歩を踏み出すことができた。私は本日をもって社長を退任するが、シャープは新経営体制のもとで再生を進める」
12日、高橋氏の退任会見などはなく、シャープ広報を通じて、こうコメントを出しただけだった。
鴻海傘下で再建を進めることが決定してから表舞台にでることもなくなり、自宅を訪れた記者には「俺、レームダック(死に体)だから」と社業について語ることはなくなっていた。
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