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エジる

エジプト現代小話、古代エジプト、観光、アラビア語、レシピなどエジプトをエジるブログです

乗馬でピラミッド

現代小話 観光

昔の話ね、体力が有り余っててとにかくじっとしていられなかったころ、馬に乗りたくってね、私。

ほら、乗馬クラブでやってる1回だけの体験乗馬ってあるでしょ?あれ、やってみたのね。初めて乗る馬は背が高くて眺めがいいの。今まで味わったことのない感覚よ。何より可愛い。優しい目をした馬に恋をしたの。

でも、高いのよね、乗馬クラブって。元気はあってもお金がない、ってやつよ。とても小娘には続けられるようなものじゃなかったから、乗馬はおあずけになってたの。

それからしばらくして、カルチャースクールで「乗馬」を見つけたの。迷わず申し込んだわ。隔週日曜日だったかしらね。全部で10回くらいだったはず。ただ、これ、1回あたり乗馬できる時間が10分程度。みんなで順番だから、あとの時間は待ち時間なのよ。馬場の中を繋がれた馬に乗ってぐるぐる回るだけ。馬も大変なのよ。汗だくで、最後の方はもう疲れちゃってやる気なしって感じで、申し訳なかったわ。

でも”はやあし”の時にね、立ったり座ったり、馬と息が合うとホント楽しかったのよ。結局そんなことの繰り返しで終わっちゃった。

馬場から出て、”かけあし”で乗ってみたいな~って思ったけど、ないのよね。初心者を外乗りで走らせてくれるところなんて、なくて当たり前なんだけど。

 

って、ずいぶん前置きが長くなっちゃったわ。

 

それがよ、聞いて!そんな願いを叶えてくれたのが、なんとエジプト。

 

ギザにある三大ピラミッド、そうピラミッドと言えばコレ!ってやつ。

その、三大ピラミッドがある地域の外側でらくだか馬に乗って、ピラミッドを遠くから眺めるコースみたいなのがあったのよ。馬を選んだわ。久しぶりに乗馬できる!って嬉しくてね。

別の馬に乗った案内役の若いにいちゃんが、私の馬と繋がった紐をもって同時に出発。

生活臭漂う民家の前の路地を通って、それから砂に覆われた砂漠へと進んで行ったの。

 

「走る?」 

にいちゃんにそう聞かれて、

 

「走る走る!!」

うそ、走らせてくれるんだー! ひゃっほー!!!

 

そこからは、もう無我夢中で走ったわ。

怖いとかそんなのは無かったわね。とにかく楽しくて。

 

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エジプト最高!!ってな感じよ。

ほんとに、こんな異国の地で願いが叶うなんて、嬉しかったわ。

 

そうやって着いた先は、ピラミッドが見える丘の上。

いい眺め~。

 

忘れられない思い出になったの。

砂の上を走った感覚、走りながら感じた風。

馬の背中から眺めたピラミッド。

走る?って言ってくれたにいちゃん。

私を乗せて走ってくれた馬。

 

みんなみんな忘れられない思い出。

 

そして最後に見たの。

砂漠を戻っている最中にね。

 

馬。そう、馬よ。

確かに馬だったわ・・

 

 

 

 

 

砂に突き刺さってた、馬。

 

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干からびて、カリカリになりそうだったわよ。

 

放置かよ??

 

あの馬、今ごろいい感じにミイラになってるわね、きっと。