2016-08-23
なぜ転売反対声明は白々しいのか #転売NO
本日、チケット高額販売反対と称した意見広告が、多数のアーティスト連名で掲載されたようです。BARKSの記事に声明そのものが載っていました。しかしライブ慣れしている人たちの間では、冷ややかな反応がそれなりに。問題提起なんてもう手遅れもいいとこで、みんなで方法を考えようという段階に、なんというやる気のなさでしょう。
自分はオタクコンテンツしか見に行かないので、音楽業界全体がこうだという広い話にはとても持って行けませんが、このオタクライブ業界で売る側の問題として考えるべきものが少なくとも2つあります。感情問題ではなく、確率の側面からなにが問題かを整理しておくと…
[1] CDつき応募券の問題
一例として、10000席のライブに対して、過去の実績から20000枚くらい売れる見込みだったとしましょう。面倒なので購入数=応募数として。理論上50%当選なので2枚買う…わけにはいきません。50%を2枚で落選する確率は25%、結構危ないです。3枚で12.5%、4枚で6.25%… ですが、みんなが3枚買うと当選率が1/3になり、3枚買った人の落選率は約30%、4枚で20%です。もちろん、律儀に1口だけ応募した人の当選率は、全体の平均購入枚数が増えるほど下がります。
一方、当選率1/2で2枚買った人のうち、25%が重複当選して余らせます。余る人と足りない人を大量生産する仕組み、これを鮮やかに解決するのが転売です。もはや転売市場に依存した商売といえます。
当選率は不明・抽選手法も不明なチケット抽選は、もしかするとソシャゲのガチャより悪質なのではないでしょうか?複数口応募が何らかの前処理されるかもしれないし、性別でまず仕分けられるかもしれないし、なにかのブラックリスト(非公開のため誤認があってもわからないリスト)に入っているかもしれないし、会場に近い住所表記が優先されるかもしれないし…そういったブラックボックス要素がたくさんあります。
[2] 出演アーティストをほとんど発表せずに売り出す問題
もしかしたら推しが出るかもしれないし出ないかもしれないとして…
- A: とりあえず買っておく!→やっぱりいらなくなる
- B: 中身わからないのに買えないよ!→まともなチケット入手できず
これらをきれいに解決するのが転売屋です。転売屋はどのアーティストが出ても行先はあるので*1、安全にAの方策をとることができますし、1万円近いチケットを安易に見込み購入できない人たち(B)がライブに参加したくなったら、事前に抑えていた人から流すほかありません。転売があるからこそ成り立つ売り方、転売屋に依存した商売といえます。
原因を生んでいる人たちが被害者面してはいけない
上記2件は、どちらも「正当に買いすぎる人が必ず出る売り方」です。それと当時に「買いたくても買えない」人が多数供給されます。普通の仲介市場が不可欠と言ってもよいくらい需要があるため大きな市場が出来、転売目的で購入する人たちもやりやすいでしょう。
売り方に改善が見られない限り、馬鹿にされるだけではないでしょうか。特にオタク界隈では、アニサマ・アイマスといった超大手、手本・基準となるべきところが率先して酷い売り方をしているために、深刻です。
購入者側も、ただ結果画面を提供するだけのe+を叩いている場合ではありません。
#転売前提の販売形態NO
*1:需要見込み違いとなることはあれど