米アリゾナ大学博士課程の研究生が、「いま米刑務所内では、ラーメンが主要通貨として使われている」という論文を発表し話題となっています。
社会学専攻のマイケル・ギブソン・ライト氏が2015年5月から1年間、米刑務所で60人ほどの受刑者や職員から聞き取り調査を行った所によると、長らく刑務所内のヤミ通貨として扱われてきた「タバコ」「切手・封筒」を追い抜き、「即席ラーメン」が基軸通貨の座についたそうです。
米刑務所はここ数十年続く経費削減と受刑者の増加のために、食事の量と質は深刻なほど低下しています。その中でラーメンは安くて、おいしくて、カロリーたっぷりで、日持ちもするので、他のアイテムと交換するのに用いられるほど貴重に扱われるようになったとか。
他の食品や服、衛生用品などへの交換に使われるほか、洗濯やベッドの掃除などのサービスの対価にも使われています。また、トランプやアメフト賭博などの賭け金にもなっているそう。
ラーメンが主要通貨として扱われるきっかけの1つは、タバコを禁止する刑務所が増えた事がありますが、今回の調査ではタバコが禁止されていない刑務所でさえも、ラーメンが非常に珍重されている事も分かったとか。
タバコが刑務所内の主要通貨になったのは南北戦争(1861〜65年)の時代。150年ぶりの歴史的変化が、米刑務所に起きています。
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