お茶飲ませてDNA採取は違法 東京高裁が指摘
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警察官がお茶を飲ませてDNAを採取し、逮捕したことが違法かどうかが争われた裁判で、東京高等裁判所は「DNAをむやみに採取されないことは本人にとって重要な利益で、捜査は違法だ」と指摘し、窃盗などの罪に問われた被告に一部無罪の判決を言い渡しました。
この裁判は、路上生活をしていた58歳の被告が、平成22年と25年に合わせて現金8万円余りを盗んだとして、窃盗と建造物侵入の罪に問われているものです。
被告側は、平成22年の窃盗事件について、埼玉県警察本部の警察官が立場を明かさないまま被告に近づいてお茶を飲ませ、DNAを採取して逮捕したとして、違法な捜査だと主張しました。
1審のさいたま地方裁判所は、「必要性が認められ、捜査は違法ではない」として懲役2年4か月の判決を言い渡し、被告側が控訴していました。
23日の判決で、東京高等裁判所の植村稔裁判長は、「DNAをむやみに採取されないことは、本人にとって重要な利益で、令状を取らずに意思に反してDNAを採取したのは違法だ」と指摘しました。そして、「令状主義の精神に反し、同様の捜査を抑制する見地からも認められない」として、平成22年の事件については無罪を言い渡し、被告が認めていたもう1件の事件について、懲役1年10か月の判決を言い渡しました。
埼玉県警察本部は「コメントは差し控える」としています。
被告側は、平成22年の窃盗事件について、埼玉県警察本部の警察官が立場を明かさないまま被告に近づいてお茶を飲ませ、DNAを採取して逮捕したとして、違法な捜査だと主張しました。
1審のさいたま地方裁判所は、「必要性が認められ、捜査は違法ではない」として懲役2年4か月の判決を言い渡し、被告側が控訴していました。
23日の判決で、東京高等裁判所の植村稔裁判長は、「DNAをむやみに採取されないことは、本人にとって重要な利益で、令状を取らずに意思に反してDNAを採取したのは違法だ」と指摘しました。そして、「令状主義の精神に反し、同様の捜査を抑制する見地からも認められない」として、平成22年の事件については無罪を言い渡し、被告が認めていたもう1件の事件について、懲役1年10か月の判決を言い渡しました。
埼玉県警察本部は「コメントは差し控える」としています。