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INORAN激白!LUNA SEAの“終幕”後「人間が大っ嫌いになった」

週刊ジョージア 2016年8月23日 7時00分 配信

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LUNA SEAのギタリストでありソロとしても活躍するINORANが、WEBマガジン「週刊ジョージア」のインタビュー企画「ほろ苦インタビュー」に登場。大人気バンドLUNA SEAの “休止”や“終幕”、そして“再起動(リブート)”があったからこそ気付けた、大切な思いについて語った!

数億円のセットが一夜で崩壊!

――長い音楽活動の中で、印象に残っている“ほろ苦い”体験はありますか?



10万人規模の屋外ライブ※用に建てたセットが、強風で倒壊したことですね。

(※1999年開催「NEVER SOLD OUT CAPACITY∞」@東京ビッグサイト)

LUNA SEA結成10周年記念ということで、入場者数を無制限にした大きなイベントだったんですが…。

ライブ前日に見たセットが、当日会場に行くと全部壊れていたんです(笑)。



――ええっ…。被害額はどれくらいですか?



数億円ですね。でも、お金の問題じゃないんですよ。

チケットを買ってくれた人がいて、それまで準備をしてきてくれたスタッフがいる…。

そして自分たちの気持ちとしても、この悔しい気持ちのままじゃ終われないと思いました。

だから、その壊れてしまった雰囲気を生かして、廃墟風のセットとして使うことにしたんです。

「カッコ悪くてもいいじゃん。勇気出して行こうぜ!」と。

ハプニングを楽しむ方向に、気持ちを切り替えたんです。



――なるほど。



だけど、メンバーの中でもスタッフの間でも、色々な意見が出ましたけどね。

「完璧な形でやりたいから中止にしよう」「安全面が保証できない」という人もいました。

これは、それぞれの立場で自分の仕事を本気で考えているからこそだと思うんです。



――確かに、中止という判断が必要なときもありますね。



山登りとかってそうじゃないですか。嵐が来たときに、下山するタイミングを間違えると大事故に繋がります。

ライブは安全面に問題ないことが分かったので決行しましたが、反対意見も聞いて、勇気の出し方や方向性をみんなで決められたのは良かったですね。

LUNA SEAの終幕…

――LUNA SEAは絶頂期の1996年末に1年間の活動休止を発表。1998年に再開されますが、2000年には“終幕” を宣言しLUNA SEAは事実上解散を。



メンバーそれぞれ、色々な思いがあって…。

僕個人の意見としては、一人でも「イヤだ」というヤツがいるなら、続けたくなかった。

存続するかどうかは、多数決で決めるんじゃなくて、全員一致じゃないと意味がないんですよ。

無理をすれば続けることもできたけど、それはファンのみんなの期待を裏切ることになる。

だったら「一度止まった方がいい」と思ったんです。

また、一緒にやれるんだし。



――というと、 “REBOOT(再起動)”することは、決まっていたんですか?

(※2010年に“REBOOT”として活動を再開)



いや。これは僕だけの気持ちですね。

「きっと、また集まれる」と思っていました。



――そうなんですね…。各メンバーがLUNA SEA以外で活動をされましたが、中でもRYUICHIさんが河村隆一名義で出したアルバム「Love」は約300万枚のメガヒットに。



「すげーな!」と思いましたね。

でも、彼は見えないところですごく努力をしていたし、僕はそれを知っているから当然だとも感じました。

僕もソロのときに歌うことがありますが、河村隆一という“最高のボーカル”がずっと僕の横にいたから、それがすごく高い基準となっていて。

自分で歌うよりもゲストボーカルを招いて、違う人に歌ってもらった方がいいなと思うようになりましたね。



――RYUICHIさんの才能もそうですが、LUNA SEAから一度距離を置いたからこそ、気付いたことはありますか?



自分の“身の丈”を知りましたね。

LUNA SEAのことは、良くも悪くもみんな知っているし、LUNA SEAだからこそ来てくれるお客さんがいるんです。

例えば、LUNA SEAが海外でライブをすると、5000人とか入るんですよ。

だけど…僕がソロでやったイタリアのライブは、お客さんがたった10人で。



――10人…。いつのことですか?



4年前です。LUNA SEAの活動再開後も、ソロを続けているんですよ。

数百人は入る大きな会場に、スタート時間になっても後ろの方に数人しかお客さんがいなくて。

イベンターが「もうちょっと待ってください!そしたら、もっと来ますから!!」と言うから、しばらく待ってみたんだけど…結局10人(笑)。

僕たちのバンドは7人いたから、ほぼ同数ですよ。



――LUNA SEAなら、数千人入るのに…。



でも、そういった経験をしたからこそ、LUNA SEAのすごさや、人気があることによって、どれだけ恵まれていたか、たくさんの人に支えられていたかが、分かったんです。

「人間が大っ嫌いになった」

――なるほど…。



これって、LUNA SEAの中だけでずっとやっていたら、気付けなかったことなんですよね。

だけど…こういう風に考えられるようになったのは30代後半、LUNA SEAの活動再開前後のことなんです。

一時期“人間が大っ嫌い”になった事があって。



――何があったんですか?



LUNA SEAは、終幕前に多少売れましたよね。ビジネス的に価値のあるバンドになったワケです。

そうすると、色々な人が集まってくるんですよ。

目を“ドルマーク”にして近づいてくる人や、もうけ話を持ってくる人。

LUNA SEA時代はチヤホヤしてきたのに、ソロになったとたん、付き合いがなくなった人もたくさんいたし…。

もう、誰が味方で誰が敵か分からなくて、信用できなくなってしまったんです。



――そんなことが…。



逆に僕が苦しいときも、ずっと“近く”にいてくれた人もいるんです。

採算度外視で僕に協力してくれるミュージシャン仲間や、ソロライブを行ったら必ず中継してくれたテレビ局の人とか…。

彼らは今も大切な“仲間”で、今度は僕が何かしてあげたいと思っています。

本当に…ほろ苦いと言えばほろ苦いし、甘いと言えば甘い。まさにコーヒーみたいな経験で(笑)。

そういったことがたくさんあって30代後半になり、結局は「まずは自分から人を愛し、尊敬することが大切なんだ」と気付かされましたね。

自分が「助けてよ」と言うんじゃなくて、「一緒に働きたい」と思ってもらえるようにならないと。



――なるほど…。



だからLUNA SEAはもちろん大切ですが、ソロや他のユニットで一緒にやった仲間たちもファミリーだし、それを守りたいという気持ちがあります。

それに、自分がどんなギタリストなのか、まだ完全に分かっていないから、色々な“船”に乗って旅を続けながら、それを探していきたいですね。



※この記事は「週刊ジョージア」の「ほろ苦インタビュー」から抜粋したものです。

結成当初の苦労話や、初の東京ドームライブで起こったハプニングの裏話などは「週刊ジョージア」(https://weekly-g.jp)でご覧いただけます。

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INORAN●(いのらん)1970年生まれ、神奈川県出身。ビジュアル系バンドLUNA SEAのギタリスト。また、ソロやMuddy Apes(マディ・エイプス)のギタリストとしても活動中。

取材/野村博史(DUAL CRUISE) 撮影/洲脇理恵(MAXPHOTO)

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