新車であれ、中古車であれ車を買った時によく勧められるモノの一つにガラスコーティングがあります。
私は過去に中古車を買おうとして見積もりを依頼したところ、諸経費が異常に高かったので販売員さんを追求したところ「黒い車なのでガラスコーティング費用を入れておきました~、黒い車は小キズが目立つので必須ですよ~」と強制的に費用見積もりに入れられた経験があります。もちろんその店での購入はしませんでしたよ(笑)
ガラスコーティングの効果?
私のまわりでもよくあるのが、
「車買うときに勧められたからガラスコーティングしておいたんだよ★キラーン」
と言った次に出てくるセリフは
「いや~高かったよ~」
「やっぱりキレイな車ってイイよね~」
なんて自慢です。でもそんな人に限って数ヶ月程後で車を見ると
かなり汚れています・・・
そして、それを指摘すると、
「コーティングしてあるから洗車しなくていいんだよ~」
いや・・・よごれてるし・・・
人間は自分にとって都合の良い部分だけを聞くようになります。
いつのまにかガラスコーティングした車は洗わなくていいという謎の解釈に変換されています。
じゃあ洗おう!ということで洗ってみるのですがウォータースポットと呼ばれる水滴の跡がシミついてなかなかキレイになりません。
これではせっかく数万円もかけてガラスコーティングをしたのに無意味どころか逆効果です。
今回はそんな風にならないようにガラスコーティングの本当のメリットとどんな人におすすめなのかをお教えしたいと思います。
コーティングしても洗わないとダメ
私のまわりだけではなく「コーティングしたから洗車しなくていい。」と勘違いしている人は多いようです。それはよく宣伝文句に書かれている『ノーメンテ』を洗車しなくていいと勘違いしているのと、化学物質の名前や科学記号を多用した商品説明が原因だと思います。
まず『ノーメンテ』はワックスがけが必要ないということです。洗車しなくて良いという意味ではありません。
それから前述した通り、人間は自分の都合の良い部分だけを聞きます。特に難しくて理解できないゴチャゴチャ長い説明の中では特にそうです。そんな説明の中聞こえてくるメリットの内、
- 「水だけでも汚れが落ちやすいです」
- 「雨水などでも汚れがつきにくいです」
- 「皮膜が硬いので傷がつきにくいです」
- 「長期間効果が持続する」
などだけが強く印象に残り、都合よく頭の中で自動変換されます
- 「水だけでも汚れが落ちやすいです」→「洗車は水をかけるだけ」
- 「雨水など汚れがつきにくいです」→「雨が降っても汚れない」
- 「皮膜が硬いので傷がつきにくいです」→「傷がつかない」
- 「長期間効果が持続する」→「手入れしなくていい」
特に最後ですね、ここからさらに
- 「長期間効果が持続する」→「手入れしなくていい」→「洗車しなくていい!」
となるわけです。
でも決してガラスコーティングしたからといって洗車しなくて良いわけではありません。それどころか、手入れも実は必要です。
ガラスコーティングは意味なし?
「洗車しないといけないならガラスコーティングの意味無いよね??」と思ったあなたは正解です。洗車するのが面倒でガラスコーティングを施工するなら意味は無いです。
洗車は面倒だけど、車はキレイにしていたいと思うならマメに洗車機で洗う方が良いです。そして1ヶ月か2ヶ月に1回ぐらいの割合で『ポリマーコーティング洗車ボタン』を押すほうがよっぽどキレイな状態を保てます。
私は実際、洗車が面倒なのでそうしてます。
ここで、また疑問点が出たと思います。
ガラスコーティングとポリマーコーティング、そしてワックスの違い
細かく説明すると科学記号だらけの理解しにくいものになりますのでメリットを中心に超簡素に説明しましょう。(コーティングは種類がすごく多く、奥深いので一概には言えませんが参考にしてください。)
ガラスコーティング
ガラスコーティングは車の塗装の表面にガラスと同じ分子(二酸化ケイ素/シリカ)を化学結合させて定着させます。
ガラスができる(結晶化)するわけではないので表面が「パリンッ!」と割れてしまうようなことはありません。ガラスコーティングには色々と種類がありますが、基本的には車の表面に科学変化を起こして強い膜を形成するイメージです。
メリットは形成された膜が劣化しにくいので、持続効果が長いこと。無機質なので油分が非常に少なく自然な輝きになること。
くすみの原因となる目に見えないレベルでの細かい傷がつきにくいので、艶にこだわる人にオススメ。
コーティング剤自体も高価ですが、施工するには溶剤やスプレーなど技術や設備が必要なので専門店などに任せることとなるので施工費もかかり、コストは高いです。
ポリマーコーティング
ポリマーコーティングもガラスコーティングと同じで化学結合による膜を定着させます。ガラスではなくシリコンやフッ素といった樹脂を使用しています。
ガラスコーティングに比べて劣化しやすいので持続性は短いです。
施工は噴きつけるだけのものが多く、簡単なので自分でも出来ますし、洗車機などでも施工可能なのでコストは安いです。
ワックス
ワックスは塗装の上に油分をのせるものです。これはコーティングではないので定着しません。
汚れをワックスに付着させて洗車の度にワックスと汚れを一緒に洗い流し、ボディ自体へのダメージを避けるイメージです。
また、油分が目にみえないような傷を埋めるので艶が出ます。
マメに洗車&ワックスがけをしなければいけないので面倒です。と、窓につくとギラギラとテカるのでやっかいです。
ガラスコーティングは誰の為にあるか?
細かいガラスコーティングのメリット、デメリットをお話する前に、はっきり言いましょう。ガラスコーティングはお金持ち、もしくは車の艶に全財産をつぎ込んでも惜しくない人向けのものです。私のような一般庶民はポリマーコーティングがベストチョイスだと思います。
コスト高
まず、はじめに施工するのに数万円かかります。耐用年数は種類によって1年~5年くらい、中には10年と謳っているものもありますが、車の汚れはどこを走るか、どこに保管するかで性質が変わります。そして、その汚れの成分によってコーティングの寿命は変化します。なので定期的に専門家にコーティングの状態をチェックしてもらい、必要時にメンテナンスしてもらうのが効果的と言えるでしょう。
特にアルカリ性の汚れである融雪剤を道路に使用しているような地域では他の地域に比べて劣化が早いです。
車の購入の際に一緒にローンに組み込んでついで買いするべきものではありません。維持費もよく調べて検討しましょう。
車庫保管がベスト
それから、何度も言いますが、洗車しなくて良いわけではありません。むしろマメに洗車して水分を拭き取らなければなりません。もしくは雨の掛からないような車庫での保管がベストといえます。
なぜなら、ガラスコーティングはコーティングされている分子が水と結合しやすく、分離しやすいという『親水性』を利用したものなのです。
簡単に説明するとコーティングの分子が水と一旦結合して、汚れを水の中に渡し、その水が離れるときに汚れごと離れていって表面が綺麗になるというのが汚れの落ちる仕組みです。
しかしコーティングが汚れて劣化してくると疎水性(撥水性)に変化してきて水が流れ落ちにくくなってきます。
コーティングが劣化してきた時、逆に問題となるのが結合しやすさです。汚れた水がコーティングと結合したまま、流れず、乾燥していくと、そこにあるコーティングの分子と汚れを含んだ水がより強く結合してしまいます。これがウォータースポットの正体です。こうなると分子レベルで結合しているのでなかなかキレイにすることができません。
雨ざらしで保管された車でコーティングが劣化し始めると、完全に水が流れ落ちることは期待できませんから、できるだけ雨のかからない場所に置き、水がかかったら速やかに拭き取れる場所に保管する必要があります。
行きつけのメンテナンスショップが必要
定期的にチェックと再施工が必要なことは前述しましたが、これをどこでもできるというわけではありません。ガラスコーティングにはいろいろ種類があり、すべて化学結合を起こすものです。なので、種類の違うものを使用すると予想しないような化学変化を起こし、ボディを痛めてしまう可能性も十分あります。なので、ボディメンテナンスは同じ種類のコーティング剤を使用する必要があり、同じお店で続けるのが理想的です。
紛らわしい商品には気を付けましょう
最後にカー用品店やホームセンターでよく見かける「ガラス繊維配合」「ガラス成分配合」なんて書かれているスプレー商品ですがこれらはちょっとキラキラするだけのポリマーコーティング剤かスプレーワックスです。ガラスコーティング剤ではありません。
まぁ価格も非常に安いので、ガラスコーティング剤と同じものであるわけがないのですけどね
【人気記事】
■私の友人、ジョージマンさんのブログ
不人気車に愛を。も読んでみてくださいね。
▼この記事が面白かった、役に立ったと思ったらポチって下さい