【英文法】I go to school. を「私は学校に行く。」と訳しているあなたへ
2016/08/22
タイトルの英文ですが、もし英語を習いたての中学生であれば、I go to school.を「私は学校に行く」と訳せればそれで十分なのです。しかし、さらに上のレベルを目指す大学受験生や、実践的に英語を使っていきたいと考えている方は、この訳ではやや不適切です。
今回はどうしてこの訳があまり良くないのかを解説しながら、文法学習の大切さを改めて確認できたら良いなと思います(。・ω・。)
現在形は「現在のこと」ではない。
みなさんは英語の現在形にどのようなイメージを持っていらっしゃるでしょうか?もし単に「今のことを表現する時制」と思っているなら要注意です。
というのも、英語には現在進行形(be動詞 + ~ing )があり、単純に「今のこと」と捉えていると、現在形と現在進行形との区別がわからなくなってしまいます。例えば、
I play tennis.
I am playing tennis.
以上のふたつの英文は意味が異なるのですが、現在形を「今のことを表現する時制」と捉えていると、どちらも同じ意味に思えてしまいます。しかし「今テニスをしている最中」という意味なら、現在進行形を使ったI am playing tennis.がふさわしい英文です。
このように日本語の感覚で単に「今のことでしょ?」というふうに認識していると、現在形と現在進行形の区別ができなくなるので、キチンと文法を学んで、英語の感覚を理解する必要があります。
英語の現在形は「今のことを表現する時制」ではないことを確認しました。ではいったい英語の現在形とは何なのでしょうか?
現在形とは?
では英語の現在形とはどんな意味があるのでしょうか。英語の現在形は基本的に「過去・現在・未来にまたがる、揺るぎないイメージ」をあらわす時制です。高校英語では現在形は
1、現在の状態
ex) I belong to the baseball team.「私は野球部に所属しています。」
2、現在の習慣
ex) I usually drink coffee at breakfast.「わたしはふだん朝にコーヒーを飲みます。」
3、不変の真理
ex) The earth goes around the sun.「地球は太陽の周りをまわります。」
4、確定的未来
ex) The train arrives at six.「その電車は6時に到着します。」
という風に分類されますが、1~3に共通するのは「過去・現在・未来」にまたがる事柄をあらわすという点です。4の確定的未来はそこから派生して揺るぎないイメージです。詳しく見ていきます。
1では野球部に所属しているという状態をあらわしていますが、当然、部活は昨日入って明日辞めるといった類のものではなく、一定期間所属するのが普通ですね?ですから、進行形ではなく、過去・現在・未来にまたがるイメージの現在形であらわすのが適切です。
2では、いつも朝にコーヒーを飲むことをあらわす英文ですが、こちらも昨日コーヒーを飲み始めて、明日飲むのをやめたりしたら習慣ではありません。こちらも一定期間、過去・現在・未来にわたってコーヒーを飲んでいるハズですので現在形が適切です。
3では、一定期間どころではなく、ほぼ永遠にそうだと思われる事柄です。こちらも1日2日で変わってしまう事実ではありませんし、「過去・現在・未来にまたがる、揺るぎないイメージ」にピッタリ当てはまります。3の英文は現在形の本質的な使われ方と言えるでしょう。
4は未来の事柄ですから、本来は未来のwillなどを使って表したいのですが、
*The train will arrive at six.
とすると、「その電車は6時に着くだろう」となって、なんだか不安な感じになりませんか?仕事の予定などがある人にとっては、ちゃんと着いてもらわないと困ります。そこで3の例文のように現在形は不変の真理をあらわすくらい揺るぎないイメージがありますから、それを活用して、電車や飛行機の出発着などは現在形であらわします。
ではタイトルのI go to school. はどう訳すか?
長々と話してきましたが、ではタイトルの英文はどう訳すのが良いのでしょうか?おさらいしてみますと、現在形のポイントは「過去・現在・未来にまたがる、揺るぎないイメージ」でした。これをタイトルの英文にあてはめてみるとどうなるでしょう?
この英文は現在形が使われており、昔も学校に行っていたし、現在も学校に行っているし、これからも学校に行くという意味ですから、「通う」という日本語が過去・現在・未来にまたがるイメージと見事に合います。
結論としては、タイトルの英文は「私は学校に通う。」と訳すのが現在形のイメージとぴったりの訳ということになります。