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「私はLGBT」とカミングアウトすることがニュースにならない世界を目指して

ジェンダー

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完全にオリンピック漬けになった2週間。

日本にいるときよりも日本人選手を応援したし、感動も大きかったです。

 

今回のオリンピックでは中国人選手の公開プロポーズなどが大きく取り上げられました。その中の一つにLGBTの選手が公開プロポーズをしたというニュースがありました。

 

このニュースに関して感じることがあったので、記事にします。

 

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LGBTとは

日本でも浸透しつつあるLGBTという言葉。馴染みがない人もいるかもしれないので、最初にクリアにしておきましょう。

  • L=Lesbian(レズビアン)
  • G=Gay(ゲイ)
  • B=Bisexual(バイセクシャル)
  • T=Transgender(トランスジェンダー)

レズビアンとゲイは同性愛者、バイセクシャルは両性愛者、そしてトランスジェンダーは心と体の性別に差異がある人といいう言い方が一番わかりやすいでしょうか。トランスジェンダーは時に性同一性障害とイコールにされることがありますが、それは違います。トランスジェンダーというカテゴリーの中に性同一性障害が含まれているという認識が正しいでしょう。

 

LGBTとは一般に、女性が男性を好きになる、男性が女性を好きになるという異性愛者ではないということです。

ただし、このLGBTという言葉が浸透しつつある中で、この中にも含まれない人もいるわけです。カテゴリーというのは認知を広げる為には必要な場面も多いですが、その枠から外れたひとを阻害してしまう可能性も大いに秘めているということを知っておく必要があるでしょう。

 

性的感情は男性にあるけれど愛情は女性にあるという人もいるし、同性愛者を好きになる異性愛者もいて、もはや千差万別ですが、ここでは性的少数者のカテゴリーをわかりやすく、LGBTと表現することにします。

 

同性愛に関する記事はこちらもおススメ

 

同性結婚が認められている国、死刑になる国

悲しいことではありますが、日本では同性結婚はまだ法律で認められていないので、事実上の内縁関係にあったとしても結婚によって得られる社会保障は受けることができません。

では世界の同性結婚の事情を見てみましょう。

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出典:File:World laws pertaining to homosexual relationships and expression.svg - Wikimedia Commons

同性愛が合法である地域

   同性結婚制度が認められている地域

   婚姻とは異なる形でパートナーシップ制度 (もしくは内縁関係) が認められている地域

   外国の同性婚が認められている地域

   国では認めらていないが、連邦レベルで限定的に承認されている地域

   同性カップルに対する法的な承認のない地域

   法令上、表現と結社が制限されている地域
 
図を見ると、欧米諸国が制度として認めらている国が多いですね。世界で初めて同性結婚の法律ができたのがオランダ2001から施行されています。21世紀からなんですね。意外と最近なことに驚きました。
アメリカは州ごとで制度が少しずつ違い2015年に国として承認する決定が下されました。
注目すべきは南米、オリンピックが開催されたブラジルは国として認めらています。そしてアフリカ唯一の同性結婚を認めている国が南アフリカです。
アジアでは条例やパートナーシップ制度はあっても、国として認めらているところは2016年8月現在ないのですが、台湾がアジア第一号になる可能性が高いと注目されています。
 

同性愛が違法である地域

   法令上は罰則規定が存在するが、事実上適用されていない地域

   重犯罪となる地域

   終身刑が適用される地域

   死刑が適用される地域

 

同性愛自体が死刑になる国もまだまだ多く存在するのも実情で、特にサウジアラビアをはじめとする中東諸国や、アフリカの地域はまだまだ同性愛者の人権が認めらていません。

死刑にまでならなくても、南アジア、中東、アフリカ諸国では犯罪になる場合が多いと示されています。ぼくが住むバングラデシュでも死刑になる可能性もあります。イスラム教徒が多く住む国では宗教的に理解されない現状が多分にありますね。

ちなみにバングラデシュでは2016年こんな事件も起きました。

 

LGBTの理解を促すには話題になることが大切

日本では一部の情報では50人に1人、あるいは20人に1人はLGBTが存在するといわれています。公にするかしないかという違いであって、さらには自分自身でLGBTであることを認めているか認めていないかによっても異なるとは思いますが、セクシャルマイノリティと言われるほど、マイノリティな存在ではないのかもしれません。

メディア露出も増え、世間に認知される機会がある日本では、昭和時代のように「同性愛者は異常だ」と大きな声でいうと、人権団体や世間に大きなバッシングを受けることでしょう。

そういう現状になってきたことは明るいことではありますが、まだまだLGBTに対する偏見や差別が存在することは事実であり、苦しんでいる当事者も沢山いることをぼくは知っています。

 

LGBTの当事者である友人がこんなことを言っていました。

LGBTってカテゴライズされても、一人一人違うんだよね。

異性愛者でもタイプがあるように、私たちも全然違うんだよ。

だから一色単にされたくないし、LGBTはこうだとかも言われたくない。

 

また就活時代に知り合ったある人が言っていたことがあります。

面接で今まで苦労したことはありますか?と聞かれて、ゲイであることを正直に伝えたそうです。

「ぼくはゲイとして生きてきました。自分でも最初は認められず、家族にも友人にも病気じゃないのか、気持ち悪いと言われ自分を否定し続けましたが、今はゲイであることを誇りに思っています。」

というようなことを言ったところ、

「うちは男社会だから、そのような性癖の方がいると、自分に好意を持たれているんじゃないかと半信半疑にならざるを得ないから、困るんですよ。」

と言われたそうです。

まだまだそんな現状があるんですよね。

 

LGBTだから特別扱いするというのは違うと思いますが、社会全体に理解を促していくには、話題になることが必要です。そして話題になることによって、社会に問題意識が生まれ、少しずつ変化をしていくと思うのです。

残念なことではあるのですが、メディアで話題になるということがこの分野においては必要です。

 

「私はLGBT」とカミングアウトすることがニュースにならない世界を目指して

ある異性愛者の友人と話していた時にこんな意見を挙げてくれました。

同性愛者の人がカミングアウトするっていうニュースとか、周りに勇気を振り絞ってカミングアウトしたという話とか聞くじゃん?

でもさ、カミングアウトってなんか変じゃない?

だって男性が好きな女性がさ、わざわざ「私は男性が好きです」と宣言しないでしょ!

恋愛に限らず、普通の会話の中で「私はイチゴが好きなんです」と意を決してカミングアウトする人いる?いないでしょ。

同性愛者であろうが、ただそれはその人の個性や嗜好であって、誰かに言うべきことでもなければ、否定されることでもないよね。

カミングアウトをわざわざしなければいけない風潮が変だと思うな。

 

ぼくはこれを聞いてその通りだなと思いました。

LGBTの当事者も、それを受け取る側の人も、まだまだ「それが一般的ではない」という認識が強いのだと思います。

だから話題になるし、賛否両論が巻き起こります。

 

究極の目指すところは、オリンピックで話題になったこういう記事がでない世界を目指すことではないでしょうか。


わざわざ勇気を振り絞って言う必要もなく、

「ねーあの男の人めっちゃイケメン!」

と言われたときに、

「うーん、私女の子の方が好きだから、趣味合わなーい」

「そっか、じゃータイプ被らなくてラッキーじゃん」

というような会話が普通になりたつことではないかと思います。

 

LGBTだとカミングアウトした人が10人だとか50人だとか、オリンピックでそういう話題がなくなることがぼくにとって理想の世界だと思います。

みなさんはどう考えますか?

 

本日のJステまとめ

あなたの周りにLGBTの人はいますか?

大切な友人から「俺、ゲイなんだよね」と言われたら、あなただったらどういう反応を示しますか?

ぜひ考えてみてください。

 

LGBTに関する記事はハフィトンポスト日本版に、話題の記事が載っています。気づきや発見が多いのでおススメですよ。

http://www.huffingtonpost.jp/news/lgbt/

 

本で勉強してみるのも、一つの方法ですね。

 

これは笑えるし、めっちゃ最高の本というか、ゲイの息子と母ちゃんのLINEのやりとり(笑)こんな親子になりたいって素直に思います。

 

 

 ブラジルが同性結婚認めてる国だとは今回初めて知りました。

 

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